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ワイン、シングルモルトウイスキー、焼酎に日本酒。これまで、さまざまな種類のお酒がブームとなり、定着してきた日本。お酒の飲み方もかなり多様化しているが、蒸し暑い夏は“仕事帰りにはいつも生ビール…”とパターン化している方も多いはず。

そこで、今回veritaがおすすめするのは、夏の夜に楽しく賑やかなひと時を過ごすのにぴったりな、“シェリー”を専門に扱うお店「しぇりークラブ」。シェリーとは、スペインのヘレス、サンルーカル、サンタマリアという狭い地域でしか造られない、この地方特産の白ワインのこと。しぇりークラブでは、定番45種を含め常時200種類以上のシェリーが楽しめるが、スペインは地域性の強い国だけに、産地以外でこれだけの種類を揃えている店には国内でもなかなかお目にかかれないという。

しぇりークラブ日本酒の大吟醸にも似たさっぱり感と薫り高いシェリーに魅せられたオーナーが、この店をスタートさせたのは、日本がワインブームに湧くかなり前、1986年のこと。以来20年にわたり、その味の紹介に一役買ってきた。

(写真左)多くの人にシェリーの魅力を知ってもらいたいと、定番銘柄から3つのおすすめが楽しめるお得なテイスティングセット(生ハム、チーズ、オリーブというタパスの定番つきで\\2,415)。辛口&甘口セット、辛口セット、トラディショナル・セットという3パターンから1セットをチョイス。各銘柄を解説したシートも用意されている。おすすめ銘柄は毎月変わるので、ぜひ、いろいろ試したい。その日、味わったシェリーに印をつけ、保存しておいてもらえるリストもある。自分の好み、新しく挑戦したい銘柄などがわかるようにと、店が20年間続けている気配りのひとつ。(写真右)フラスコに入っているシェリーがディスプレイされている。甘口になるほど色は濃くなる。

「いろいろなお酒を飲んできて、最終的に行き着いたのがシェリーだったという方も多い。スペイン料理の定番、生ハムなどのタパス(小皿)料理は辛口でスタート。煮込みなどのメインやパエリアには、さっぱりとしたミディアムを。食後にはデザートとして甘口を、というように、3種の味が楽しめます。港町でも親しまれているワインなので、塩ゆでの魚介類にも良く合う、日本人好みの味です」と、ヴェネンシアドール(シェリーの専門家・ワインでいうソムリエ)の益子勝也さんは話す。

ワイン専門店と聞くと、特有のスノッブなイメージを思い浮かべ、近寄りがたさを感じる人もいるかもしれないが、そんな心配が一切いらないのもこの店の嬉しいところ。まるで、親しみやすいスペインというお国柄を反映しているかのように、店内には気さくで和やかな空気が流れている。もちろん、料理の美味しさという魅力も忘れることはできない。タパスはもちろん、イカスミのパエリア、季節のパエリア(各\\1,575)、イべリゴ豚のペッパーステーキ(\\2,415)、極甘シェリーかけアイス(\\525)など、一度は試してみたいメニューがずらり。シェリーと一緒に、ぜひご賞味あれ。

しぇりークラブ (写真右)8月中開催されているマンサニージャ・フェア。マサンニージャとは、サンルーカル地方で作られる辛口シェリーのこと。お祭りには欠かせないシェリーにぴったりなのは、現地で親しまれている珍味オルティギージャス(イソギンチャクのフリット)やチェリートマトとムール貝のアヒージョ(陶器でオリーブオイル、ニンニクを入れ直火で調理する典型的なスペイン料理の一種)。美味しいシェリーと美味しい料理を味わう至福のひとときを。

(写真左)ヴェネンシアとは、シェリーの香りをより豊かに楽しむために、高い位置からグラスへと注ぐ際に使われる道具のこと。それを扱うシェリーの専門家は、ヴェネンシアドールと呼ばれる。日本での資格取得も可能ということで、益子さんはじめ、しぇりークラブのヴェネンシアドールが、直接指導してくれる実習教室もある。


text / jun makiguchi photo / pawel jaszczuk

restaurant information


しぇりークラブ しぇりークラブ

中央区銀座6-3-17 悠玄ビル2・3F
Tel:03-3572-2527
火曜日〜土曜日:17:30〜24:00 金曜日・祝祭日前:17:30〜4:30
日曜日・祝祭日:16:00〜23:00 定休日:月曜日

おすすめシェリーが入った樽のある2Fと、スペインの中庭をイメージしたという3F。月1回、第一日曜日には、だれでも参加できるフラメンコ踊り放題のイベントを開催中。なんと踊り放題なだけでなく、シェリー飲み放題、お料理食べ放題で\5,000! 17時スタートだが、希望者には16時からフラメンコのプチレッスンも。お店は20名〜30名で貸切も可能。