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今年初夏に行われたオランダのフリゾ王子とメイベル・ウィッセ・スミット嬢のロイヤル・ウエディングで、ドレスを担当し話題となったばかりのヴィクター&ロルフ。デビュー以来、その独創的なデザインと高いプレゼンテーション能力で人々を魅了し続け、今や名実共にオランダを代表するデザイン・デュオへと成長した。 そんな彼らをゲストキュレーターに迎えた展覧会「COLORS:ファッショ ンと色彩―VIKTOR&ROLF&KCI」が、現在、六本木の森美術館で開催されている。

ファッショ ンと色彩時代を映し出す“ファッション”と“色彩”という二つの関係に焦点をあて、黒、マルチカラー、青、赤と黄、白という5つのテーマ・カラーで色別された会場には、京都服飾文化研究団(KCL)所蔵のコレクションを中心に計87点もの作品が並ぶ。

17世紀から今日までのファッション、デザインの移り変わりだけでなく、服に様々な意味を付加する色にまつわる歴史、経済的背景までをも考察するユニークな切り口が新鮮だ。

(写真左)Viktor&Rolf(写真右)白の部屋「COLORS」 展 会場風景 2004

もちろん、ベーシックなモチーフをちょっとした遊び心で独創的に演出された、シンプルかつ美しいフォルムを誇るヴィクター&ロルフの作品を間近に観られるうえ、クロマキー・ブルーの手法(青の背景に画像を合成する技法)を駆使した伝説の2002年秋冬パリ・コレクションほか彼らの貴重なコレクション映像が、各部屋で楽しめるのも嬉しい。

■出品デザイナー:アズディン・アライア、クリストバル・バレンシアガ、ガブリエル(ココ)・シャネル、クリスチャン・ディオール、ドルチェ&ガッバーナ、マリアノ・フォルチュニイ、ジョン・ガリアーノ(クリスチャン・ディオール)、ジャン=ポール・ゴルチエ、川久保玲(コム・デ・ギャルソン)、三宅一生、ロベール・ピゲ、エミリオ・プッチ、イヴ・サンローラン、エルザ・スキャパレリ、ヴィクター&ロルフ、マドレーヌ・ヴィオネ、渡辺淳弥、ヴィヴィアン・ウェストウッド、山本耀司 (姓のアルファベット順)他

文/牧口じゅん
写真提供/森美術館

information


ファッショ ンと色彩 『COLORS:ファッションと色彩―VIKTOR&ROLF&KCI』

会期:12月5日(日)まで開催中[会期中無休](「小沢剛展」も同時開催中)
会場:森美術館[六本木ヒルズ森タワー53]
開館時間:月・水・木10:00〜22:00/金・土・日・祝前日10:00〜24:00/火10:00〜17:00
(いずれの日も閉館30分前まで入館可)
会場となっている森美術館は、展覧会チケットで入館可能な大展望台・東京シ ティビューと同じ地上53階に位置していて、美術館としては異例の夜間開館(平日は火曜日以外22時閉館、週末・祝前日は24時閉館)。都会的な空間と時間を享受しつつ、仕事帰りに、夜のデートに、と空中のオアシスを堪能したい。