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アルネ・キャンズ「カミーユ」©Arne Quinze今夏のノルマンディー地方は、「印象派」に染まる。しかし、大家への追悼記念というよりは、現代アート、音楽、写真、インスタレーションなど、セーヌ川が流れる背景にその恩恵がもたらす現代表現が主体となり、地方全域で9月までの会期中、豊富なプログラムを堪能できる。



ルーアン市では、「Rouen Impressionée(ルーアン・アンプレッショネ展)」として、室内や屋外で、アーティストたち6グループが新奇な表現を展開している。とりわけ、ベルギー出身のArne Quinze(アルネ・キャンズ)は、市内の右岸と左岸を結ぶ橋を45km相当の木材を使用した、全長120m、高さ6〜20m、重さ110トンの構造物で覆い、完全に歩行者天国にしてしまう。歩行者は、網目状に組まれた木と木の隙間から、光や風のリズムを体感することができる。タイトルは「カミーユ」。モネの妻、そして印象派の画家ピサロの名からも由来する。さらに、制作にこだわるアルネは、伐採ごとに植樹するサスティナブル行為を提唱する生産者からの木材を使用し、会期終了後に撤去される作品の木材は、リサイクルの道を歩む。 >カミーユの現場制作風景をブログで紹介

平川滋子「アぺル・デール」©shigeko hirakawa

フランス在住の日本人アーティスト平川滋子(ひらかわしげこ)http://shigeko-hirakawa.comは、ここ数年、世界でおこる異常気象による風景の激変を目の当たりにして、芸術家としての極限を再考する自らの体験をベースにする。「アぺル・デ―ル(空気の誘引)」は、危機に瀕した植物のエコシステムを訴えるプロジェクト「空気が危ない?」の要素を総合したインスタレーションだ。 ルーアン市内の植物園の入り口から約160mの芝生に分子構造を描くインスタレーションでは、酸素分子構造をした約20mの芝生が4つあり、成長する。そこに設置された、透明ポリウレタンのバルーン7個はまるで浮遊しているかのようだ。さらに、光で反応する特殊ピグメントを混合した5,000枚の円盤を、25m〜30mの高さの木3本にくくりつけた「光合成の木」では、太陽と植物の関係を視覚的に感知することを可能にしている。 >プロジェクト「空気が危ない?」のブログ

印象派は、光のもとに派生した。それから1世紀以上の歳月を経た今日、自然環境の変化を危惧するアーティストたちの表現が、ルーアン市に捧げられる。

(取材・文 Kaoru URATA from Paris)

Rouen Impressionée(ルーアン・アンプレッショネ展) 会期:2010年7月3日〜8月29日



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