美術館,アート,LaM
9月25日にグランド・リニューアル・オープニングを迎えた近代・現代アート&アール・ブリュット美術館「Le Museé d’Art moderne de Lille」。短縮してLaM(ラム)と呼ばれるこちらは、パリからTGVで1時間ほど北上する、日帰りも可能なリールに位置する。



1983年にオープンした当時は、リール・メトロポール現代アート美術館MAMという名称であった。建築家Roland Simounet(ローラン・シムネ)が、庭園にかこまれた環境にレンガ造りの平屋式の美術館を設計。2000年に史跡建造物に指定された。 それから、四半世紀が経過。2002年に、改修・増築を兼ねた設計コンペが開催され、優勝したのは、フランス人女性建築家Manuelle Gautrand(マニュエル・ゴトラン)の案だ。コンクリート素材を用いた異質な建築空間が、既存建築を、扇の折れ目が連鎖するように包む。平屋空間だ。身体障害も難なく見学できるように、設計されている。 アール・ブリュット作品のアーティストとコレクターを集結する財団Aracine(アラシンヌ)が、1999年に当美術館に作品を寄贈している。4年間の歳月を経て、グランド・リニューアル・オ―プニングに至ったLamでは、世界最大規模のアール・ブリュット作品が堪能できる。

Museé d’Art moderne de Lille  

(取材・文 Kaoru URATA from Paris)

写真クレジット Photo : Philippe Ruault © Manuelle Gautrand Architecture