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本当においしいワインを楽しむ日常――。これは決して難しいものではありません。お気に入りのワインと出会うための、ちょっとした秘訣さえ知っていれば。

そこで、ワイン選びの秘訣を知っていただき、毎日をもっと豊かにしていただこうと、2011年2月3日(木)、表参道coponnorpにてverita Live!「“おいしい”ワインをシンプルに選ぶ 至福のwine tasting」を開催しました。たくさんのご応募の中から抽選で選ばれたverita読者20組40名様をお招きし、フランス・ブルゴーニュから来日した天才醸造家 キャレル・ヴォールユイスさんとワインインポーターFiradis石田大八朗さんのトークも交えながら、Firadis厳選ワインとcoponnorp特製料理のマリアージュもお楽しみいただきました。Twitterのハッシュタグも用意され、イベント中につぶやいていただく準備も万全。会場はもちろん、Twitterでも盛り上がりを見せた、ワインのあるひととき。その模様をお届けします!

verita Live!が始まる20時少し前、会場となった表参道coponnorpの扉が開きました。読者をお迎えするのは、ブルゴーニュ・ブラン。ウェルカムドリンクとして用意された白ワインです。華やかな香りとふくよかな完熟果実につづいて、さわやかな酸味があるのが特徴。このワインのお相手に選ばれたのは、ウォッシュチーズとクルミのスコーン。チーズの風味とワインの香りが互いに引き立て合う、すっきりとしたマリアージュが印象的です。


実は、ウェルカムドリンクとして登場したのは、フランスのワイン名醸地であるブルゴーニュ、コート・ドールの中心に位置するドメーヌ・ダルデュイのもの。ドメーヌ・ダルデュイの畑・醸造責任者を務めているのが、本日一人目のゲストでもあるキャレル・ヴォールユイス氏。「私の造ったワインを、このような形で皆さんに味わっていただけることを嬉しく思っています」と挨拶し、「有機栽培へのこだわりを含め、栽培法、醸造法、熟成法などすべては、ブルゴーニュが持つテロワールと、シャルドネやピノ・ノワールといったそこに植えられたぶどうの特徴を最大限に活かすことを目的としています」とワイン造りへのこだわりを披露していただきました。


ブルゴーニュは、細分化された区画(クリマ)ごとに格付けがされていて、地方名、村名、1級(プルミエクリュ)、特級(グランクリュ)の順に高くなっていく独自の文化を持つことでも知られる地域。「グランクリュ、プレミアクリュなど、畑によってワインが格付けされるという独特の文化性と深い歴史も持つワイン産地。その文化性も大切にしていきたい」と情熱のほどを覗かせるキャレル氏。そんなお話を伺いながら楽しんだ2本目のワインは、キャレル氏が“偉大な年”と呼ぶ2009年に収穫したぶどうで造った赤ワイン、サヴィニ・レ・ボーヌ プルミエクリュ オー・クルー。パワフルで芯のしっかりとした味ながら、ベリー系の甘いアロマが魅力。女性ファンが多いというのも頷ける味でした。


キャレル氏を囲んでワイン談義に花を咲かせたり、参加者同士おしゃべりをしたり。そんな中、3本目となるワイン、ボルドーの赤でシャトー・スオー キュベ プレステージ、4番目のイタリアワイン、スカッビ(赤)が次々とグラスに注がれていきました。二人目のゲストであるワインインポーター、石田大八朗氏のトークがスタートする頃には、本日の目玉となる5本目のワイン、ブルゴーニュの赤であり、キャレル氏ご自慢のグランクリュ、コルトン・ルナルドが登場。石田氏と、一緒にテイスティングすることになりました。

石田氏は、希少性の高いきれいに熟成された飲み頃のファインワインを専門に扱う株式会社Firadis(フィラディス)の代表。ハイクオリティなワインも、市場に出回るのは、飲み頃前の若いものが多いという事実を残念に思い、きちんと飲み頃になったワインを届けたいと、2003年に会社を設立。2007年からは、手頃なクオリティーワインも扱うように。ひとつひとつ試飲しながら、本当に良いもの、高品質ながらリーズナブルというコストパフォーマンスの高いワインを選んでいるといいます。そんな石田さんからは、美味しいと思えるワインの見分け方を教えていただきました。


「おいしいワインを見つけるのは簡単ではありませんが、まずは自分の好みを知るのが大切です。そのためには、最低限の知識を持つこと。産地によって違うぶどうを使っているので、違う産地のものを飲み比べてみてください。今日も、いろいろと違う味わいのワインを揃えたので、ぜひ自分の好きなワインを見つけて帰ってください」とアドバイス。フランス、イタリア、スペインの地図を展開しながら、様々な産地の説明、各産地で栽培されているぶどう品種についての説明も、わかりやすく加えていただきました。


さらに、ソムリエを味方につける方法も指南。「自分が好きな味について、詳しい情報があればそれだけ、ソムリエとも相談しやすいですよね。好きな味を見つけたら、エチケット(ラベル)の写真を撮っておいて、それを見せながら相談してもいいですね。何本飲みたいのか、予算はどのくらいなのか、はっきり伝えてください。また、同じ産地、同じ品種のぶどうで造ったものは、ほぼ同じ味わいですから、その方向性から探していくのも良いでしょう。さっぱり、軽やか、フルーティなど特徴を知るといいですが、それだけでなく、造り手、産地、ヴィンテージ(年)、そして北か南かなども知っておくとソムリエに伝えやすいですね」


そして、いよいよキャレル氏が造ったグランクリュ コルトン・ルナルド(2007)のテイスティングへ。キャレル氏によると、2007年は冷夏で、雨が多く、非常に難しい年だったとか。ぶどうがなかなか熟成せず、ぎりぎりまで収穫を待たなくてはならず、苦労が多かったそう。「ただ、その分、入念な注意を払って造ったワイン」とキャレル氏。もちろん、グランクリュの畑のぶどうも、テロワールを最大限に表現したいため、有機栽培にこだわっているのだといいます。

「グランクリュの魅力は、同じぶどうからできたワインを飲み比べてみると良くわかります。このコルトン・ルナルドは、ベリーを複雑にしたような味。そして、余韻が長いですね。余韻の長さは、良いワインを見分けるコツでもあります。だいたい、余韻の長さと値段は比例するんです」と石田氏。会場では、グラスを傾け、味わいながら、その言葉に頷く姿が多く見られました。


コルトン・ルナルドのテイスティングが終わると、6本目のリラック・ル・グルマン、7本目のシルバー・ラベルが続いて登場。 「自分の好みのだいだいの方向性を知り、そのワインを楽しむ。そのうちに、その中での違いがわかるようになります。そうしたら、ワンランクアップした証拠。フランスだけでなく、イタリア、スペインにも美味しいものがありますから、いろいろ飲み比べてみてください」と石田さんがアドバイス。さらに、「実は、グラスによっても味わいがとても変わります。なかなか、同じワインを違うグラスで飲み比べる経験はないと思いますから、家でぜひ試してみて、味わいの違い感じてみてください」と自宅でも手軽にワインテイスティングを楽しむ方法を教えていただきました。

この日、テイスティングに登場したのは、7種類(白1種、赤6種)のワインと、それに合ったフィンガーフード。お料理は、コポンノープ片山シェフが腕をふるった自信作揃い。さあ、どんな7つのマリアージュが生まれたのでしょう。

ブルゴーニュ・ブラン 2009(ドメーヌ・ダルデュイ)×ウォッシュチーズとクルミのスコーン
ワインのフレッシュな酸味と、エポワスチーズの風味が溶け合って爽やか。イベントの始まりを告げる瑞々しい組み合わせに。

サヴィニ・レ・ボーヌ プルミエクリュ オー・クルー 2009(ドメーヌ・ダルデュイ)×鴨とオリーブのピンチョス
ベリー系の甘みあるアロマとパワフルでしっかりとした赤ワインの味わいが、鴨肉の甘みとぴったり。

シャトー・スオー キュベ プレステージ 2005(プルミエール・コート・ド・ボルドー)×牛すじの赤ワイン煮込み
力強く複雑でありながらエレガントで華やかさのあるワインと、煮込みに使われたワインが共鳴。

スカッビ 2008(サン・ヴァレンティーノ)×ジャガイモとツナのトン・クロケット
爽やかな酸味のある赤ワインが、フライ料理にもぴったり。ツナの味わいもしっかり感じられるマリアージュ。

コルトン・ルナルド グランクリュ 2007(ドメーヌ・ダルデュイ)×コック・オー・ヴァン
キャレル氏自慢のグランクリュは、パワフルでゴージャス。パンチのある味わいは、赤ワインで煮込んだ鶏と合わせることで、余韻がより一層長く。

リラック・ル・グルマン 2008(ドメーヌ・デュ・ジェンシエ)×パテ・ド・カンパーニュ
煮詰めたフルーツのような香りに、ほんのりスパイシーな味わいのワインは、レバーのパテと一緒に味わえば、脂の甘みととけあって互いの味はより芳醇に。


シルバー・ラベル 2008(ファン・ヒル)×プルーンを巻いたハム
完熟した果物とオリエンタルなスパイス、そして甘く艶やかなタンニンを感じるスペインの赤は、プルーンと合わせて、もっと華やかな味に。

verita Live! も終盤に差し掛かり、始まったのがワイントリビアクイズ。シャンパンの造り方を発見した人物やシャトー・ムートン・ロートシルトのラベルデザインなどキャッチーなものから、ワインと歴史の関わりやマニアックなワイン用語……etc. スクリーンに出題された三択クイズに答え正解すると、上位5名には素敵なプレゼントが当たるとあって、白熱した勝ち抜き合戦が展開。最高潮の盛り上がりを見せました。素敵なプレゼントとは、ドメーヌ・ダルデュイ特性のエプロンとセーターのセットと判明。入手困難なレアものということで、5名の読者には大いに喜んでいただきました。

お帰りの際、世界のメーカーから厳選したナチュラルチーズを輸入している「チェスコ」より、程良い熟成具合でひかえめな香りとクリーミィな味わいの食べやすいウォッシュチーズ「ジェラールセレクション クリーミーウォッシュ」を、フランス産フロマージュ(チーズ)のウェブマガジン「フロマージュ・ド・フランス」からはレシピカードをお土産としてプレゼント。また、参加者だけの特典として、通常は一般に販売していないフェラディスから、この日テイスティングしたクオリティーワインを特別価格で購入できるオーダーシートも配られました。

 
  • ・ワイン醸造家から直接話を聞けとことは面白かった(特にコルトンのエピソード)。(40代女性)
  • ・料理とのマリアージュに感動しました。7種類も味わえて楽しかったです。(20代女性)
  • ・普段忙しくONとOFFをしっかり切り替えられず、食事も惰性で食べる事が多い中、心地良い音楽を良いスピーカーで聴きながらお料理をゆったりと目で楽しみ口でいただけて、心と体がリセットされました。 (30代・会社員)
  • ・ぶどう造りから苦労されていて、産地にもとても興味がわいてきました。いつかシャンパーニュはじめ、ブルゴーニュ・ボルドーをまわってみたいと思います。(30代女性)
  • ・ワインにあったお料理、マッチしていて良かったです。色々なワインをテイスティングでき、好みのワインに出会えたこともよかったです。(40代女性)
  • ・仏産ワインに特化したイベント、大使館関連のイベントにはない複数の産地のワインを試飲できた点が良かったです。(20代女性)