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2012年、ロンドンのバービカン・アート・ギャラリーで開催され、「すべての人々に必見の展覧会」と各メディアで取り上げられセンセーションを呼んだ「Future Beauty」展が、7月28日(土)から10月8日(月・祝日)の期間、東京都現代美術館にて開催される。

上:津村耕佑 「ファイナル・ホーム」 2012年

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左:川久保玲(コム・デ・ギャルソン) 1983年秋冬 京都服飾文化研究財団所蔵、株式会社コム デ ギャルソン寄贈、林雅之撮影 右:山本耀司 1983年春夏 京都服飾文化研究財団所蔵、小山壽美代氏寄贈、広川泰士撮影

1980年代、日本のファッションは黒いぼろと言われて世界に熱い議論を呼び起こした。しかしそれは、欧米の既成概念に揺さぶりをかける21世紀のファッションの方向性を示唆する衣服革命、いわば「Future Beauty」と呼ぶべき美意識でもあった。本展覧会では、世界的に高い評価を得る京都服飾文化研究財団(KCI)のコレクションを中心に、伝統的な1980年代の川久保玲、山本耀司の作品、「ソマルタ」のレディ・ガガ着用モデル、「ミナ・ペルホネン」のグラフィカルなテキスタイルなどを展示。日本ファッションの巨匠たちと日本ファッションのDNAを継承する若手の作品が一堂に会す国内発の大規模展覧会となる。展示はほかに、コレクション・ショーの映像、デザイナーのドキュメンタリー、プリント・マテリアルなどの資料を加え、「Future Beauty 日本ファッションの未来性」を多角的な視点から解き明かす。

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左:ミントデザインズ 2012年 「アーカイブスドレス」 cmintdesigns 右:サカイ/阿部千登勢 2012年春夏 csacai 

また海外巡回展の内容に加え、ブランド設立10年未満の若手デザイナーの作品をフューチャーし、デザイナーとのトーク・ショーを通して、未来の日本ファッションを担う彼らが今、混沌とした時代をどのように見つめ、何を語ろうとしているのか、その真髄に迫る。80年代の「脱構築と革新」から、90年代の"生きるコンセプトを「Attitude(態度)」として見せる世代の表現"を経て、2000年代の食べる、眠る、友達とおしゃべるをするといった"日々の行為=「Behavior(ふるまい)」をもとにした「共感」世代のデザイン"に至るまで、30年にわたるファッションの変遷を通覧することで、日本ファッションの未来性をのぞくことができる本展。この機会を見逃さずにぜひ足を運んでみて欲しい。

Future Beauty 日本ファッションの未来性
東京都現代美術館 企画展示室3階
東京都江東区三好4-1-1
会期:7月28日(土)~10月8日(月・祝)
休館日:月曜日(ただし9月17日、10月1日、8日は閉館。9月18日(火)は休館)
開館時間:10:00~18:00(入場は17:30まで)
観覧料:一般 1,000円、大学生・65歳以上800円
中高生500円、小学生以下無料