COLOURISTIC!
フランス・日本・上海を拠点に活動するデザイナーのクラウディオ・コルッチが、3月5日~10日の期間、代官山のヒルサイドフォーラム&ギャラリーにて、展覧会「COLOURISTIC!」を開催する。 今回の展覧会のタイトルは「COLOURISTIC!」。その名の通り、色をテーマに色彩 × 光 × 水 が織り成す幻想的なインスタレーションと、カラフルで斬新な近年のオリジナル家具作品を集めた展示で、「色」と「素材」と「デザイン」の可能性を、これからの日本の衣・食・住環境へ向けて新たに発信している。しかし、この展覧会にはクラウディオ・コルッチから日本人へ向けられた、もうひとつのメッセージが込められている。

クラウディオ・コルッチは、はっとするような色彩感覚とダイナミックな曲線美、大胆な素材遣いによる独創性の高いデザインに定評があるデザイナーだ。彼にとって、「色」は人の「感情、意志」を表すものでもあり、「生きること・暮らすこと」とリンクしている。日本に暮らし、デザイン活動をはじめて17年、プロダクトやインテリアはじめ、これまでもたくさんの作品を発表してきた。そして、2011年の3月11日に東日本大震災を経験した。震災後から、少しずつ日本の人や街の「生き生きとした様子」や「らしさ」がどうも見えてこないと感じ、「これまでお世話になった日本に、もっと元気になってもらいたい。」という気持ちが湧いてきたという。

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左:Carafe un Verre (2001 年)、右:Mutant Series (2012 年) 

デザインにおいて、色と色、個性と個性が化学反応を起こしたところで生まれる豊かなクリエイションの世界を、力強いインパクトある表現で披露してみせた今回の展覧会には、「もっと自分を表現しながら、これからを生き抜いてほしい・楽しく暮らしてほしい」という日本の人々への願いとメッセージが込めれているという。

ひとりひとりが、自分の内に持つ「色」=「意思、感情、らしさ」を外に出すことが、元気でハッピーな暮らしに繋がるということ。臆病にならずに「色」を発し、他者の色も受け止める。色と色を掛け合わせ練りながら、社会を築いてゆけたら、より豊かな生き方ができるのではないかということ。作品を眺めながら、彼からのそんな力強いメッセージが浮かび上がってくる。


■クラウディオ・コルッチ展『COLOURISTIC!』
会期:2013 年3 月5 日(火)~3 月10 日(日) 11:00~21:00
会場:ヒルサイトフォーラム&ギャラリー(東京都渋谷区猿楽町18-8 ヒルサイドテラスF棟)
www.colucci-design.com/

クラウディオ・コルッチ作品集『Kaleidoscope CLAUDIO COLUCCI』
編集者:Sarah Carriere-Chardon(美術批評家、キュレーター)
価格:4,800円(税込み)
本展にあわせて販売される本書は、マルチカルチャーに生きるコルッチの「これからも世界を様々な視点で捉えながら、ユニークなデザインを生み出したい」という思いが詰まった一冊。併せて要チェック。