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農薬を使わず、なるべく自然に近い状態で収穫されたオーガニックな野菜や穀物を選び、毎日の食卓をおいしく、健康的に過ごしたいと思う人は多い。 ところが、豊かな食生活のための野菜選びの基準に実はもうひとつ、"品種の違い"というのがある。品種は種によって決まるが、種は種でも在来種、F1種、自家採種などがある。その中で、F1種というのは、品種改良によって作られた新品種の第一代目の種のことで、環境に対する抵抗性が高かったり、生産できる量が増える特長を持つ種だ。一方の、在来種は何世代にもわたって選別・淘汰されて、その地域の風土に合った種として固定化されたもので、伝統的に栽培され、遺伝子操作などの現代的な品種改良を行っていない作物のことをさしている。ところが、この在来種は、病気に弱かったり、収量の少なさなど欠点から、この数十年で多くの在来作物が、日本各地で消滅した。

こうした農業の現場のリアルな現状を背景として、山形県の在来の野菜の魅力を伝えるドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」が、2013年8月31日(土)から9月13日(金)まで川越スカラ座で公開される。映画の中で、“山形イタリアン”「アル・ケッチァーノ」の奥田政行シェフは、独自の料理法で在来作物の存在に光を当て、野菜の個性的な味・食感・香りを生かした料理に、新鮮な魚介や肉と、地域の風土や物語を盛り込んだ。また焼き畑農法を研究する江頭宏昌氏は「ここにしかない価値」を秘める在来作物が地域再生の起爆剤になるとメッセージを発信する。

「在来作物を知ることは、食と農業の豊かな関係を知ることにつながっている。」そんな制作意図を持って、満を持して公開された本作。映画公開初日の8月31日 14:30~の回上映終了後16:05頃より、公開記念イベントとして埼玉を拠点に日本の在来品種を守る活動を行う野口種苗研究所の野口勲氏とコエドブルワリー代表 朝霧重治のトークイベントが行われる。また同日18時から、川越スカラ座から徒歩1分の場所にある「ハツネヤ ガーデン(HATSUNEYA GARDEN)」(埼玉県川越市元町1-9-8)では、渡辺智史氏(「よみがえりのレシピ」監督)と、野口勲氏(野口種苗研究所)、コエドブルワリー代表 朝霧重治が、だだちゃ豆とCOEDOビール愉しみながら、在来作物の魅力を語り合う「だだちゃ豆とcoedoビールを愉しむ会」が予定されている。

「だだちゃ豆とcoedoビールを愉しむ会」では、川越在来品種のサツマイモを使用した「紅赤」も用意し、食事、ビール、トークを楽しめる。参加費は、だだちゃ豆、前菜、メイン料理を含め、3,500円。COEDOビールは別途。申し込みは、8月28日までに申し込みメールアドレス(yrecipe2010@gmail.com)宛に、件名を【「だだちゃ豆とcoedoビールを愉しむ会】と記載の上、名前、電話番号、住所を送付。定員は、40名。

■映画『よみがえりのレシピ』
8月31日(土)より川越スカラ座にて公開。
プロデューサー / 高橋卓也
監督・編集 / 渡辺智史
撮影 / 堀田泰寛
音楽 / 鈴木治行
整音 / 石寺健一
協力 / 山形県農林水産部新農業推進課、山形在来作物研究会
助成 / 文化芸術振興費補助金
製作・配給 / 映画「よみがえりのレシピ」製作委員会
http://y-recipe.net/