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うっとり夢見るようなクリスマスケーキ。新年の悦びを家族や大切なひとたちと分かち合うためのお菓子たち。パリのホリデーシーズンは、そんな甘くてロマンティックな口福の使者たちであふれている。パリから届いたとっておきのホリデースイーツを2回に渡ってお届けしよう。前編では、老舗菓子店「ルノートル」と「ピエール・フレイ」のコラボレーションと世界屈指のホテル「ブリストル」から、クリスマスに欠かせないケーキの代名詞ビュッシュ・ド・ノエルをご紹介する。

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ピエール・フレイとルノートルが織りなすビュッシュ・ド・ノエル

日照時間が短くなってくるこの季節、ショーウィンドウの灯りが、夕刻の楽しみを増してくれる。
老舗菓子店ルノートルの今年のクリスマスケーキ「ビュッシュ・ド・ノエル」は、インテリア装飾の生地やウォールペーパーのブランドである、ピエール・フレイとのコラボレーションから誕生した。

bch2ピエール・フレイは、1935年に創業し、現在でもフレイ家のご子息たちが継承する、伝統的な素材感と色彩を取り入れた、生地を制作する。昨今では、他ブランドも買収して、4つのブランドを総括する。但し、製造元はフランスに1カ所のみである。市場展開の7割は海外流通に委ねており、37カ国に進出しているが、「フランス製」へのこだわりを重んじる。それは、ルノートルにも共通する点がある。

まるで童話「お菓子の国」に登場するような「ビュッシュ・ド・ノエル」。2015年に、創業80周年を祝うピエール・フレイの、47番地プティシャン通りの本店を再現している。現在では、7000以上の生地パターンを所有し、年に400~500の新規デザインを生産するというから、アーカイヴは書庫のようであろう。しかし、80年後に、ショップが、ドライフルーツとプラリネの上にミルクチョコレートとパッションフルーツのムースのケーキになって表現されるとは想像しなかったことだろう。家の部分は、ホワイトチョコレート、チョコレートやカリソン、マジパンなどを巧みに取り入れて、ソファー、椅子、絨毯、カーテン、暖炉の周りのプレゼントまで細部に渡り、制作している。
家を壊して食べる行為には、かなりの勇気がいることだろう。

尚、個数に限定があり、12月1日からフランスの店舗とネットで予約を受ける。販売は、フランスのみである。

http://www.lenotre.com

写真トップ&右:「お菓子の国」のようにメルヘンチックな「ビュッシュ・ド・ノエル」
©Lenôtre & Pierre Frey photo by T.Dhellemmes

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厳粛でシックなクリスマスを迎えるブリストル

世界屈指のホテル、ブリストルが演出する2014年のクリスマスは、最も神秘的であろう。

エントランスホールで歓迎するドアボーイの温かい笑顔は、冬の間、ホールの守り神ともいえるツリーへと誘導する。デンマークの森から厳選され、切り倒された一本のもみの木が届けられるのである。飴玉のような色をした電球装飾が、輝くのだろう。

bch3今年のクリスマスケーキである「ビュッシュ・ド・ノエル」を拝見したいところだ。

パティシエ・シェフ ロラン・ジャナンは味覚にも見立てにも手を抜かない。妥協を許さない男が披露する「ビュッシュ・ド・ノエル」は、まさにその名の通り、木株を再現している。きこりが切り倒したばかりのような、そんな力強さを感じる外観であるものの、繊細さを味覚で勝負するところが、シェフの腕前だ。そもそも、「ビュッシュ・ド・ノエル」はバタークリームをふんだんに使用するのが伝統的であるので、伝統への敬意も示しながら、現代人の好む「軽さ」の感覚をバランスよく仕上げた。バタークリームには、ヘーゼルナッツを使用。キイチゴとショウガのジャム、カラメルにからめたヘーゼルナッツとキイチゴを果実として取り入れた。

写真左:切り倒したばかりのような木株を再現した、ブリストルの「ビュッシュ・ド・ノエル」 ©Bristol


「酸味は、味覚を軽く感じさせる」のだそうだ。されど、ダイエットをされている方は、ほどほどにしておく必要があるだろう。適度に体を動かし、冬の時期にさしかかるエネルギーを蓄えていきたいところである。
buch4「寒くなってくると、体が自然にカロリーを欲するのです」と説明するロラン・ジャナンは、12月から「ビュッシュ・ド・ノエル」と並行に、フランス庭園のカフェにて、モンブラン、プラリネのケーキ、パン・デピスを提供する。オレンジのマーマレードを効かせたショコラも、夕方、冷えた手足を心の中から温めてくれるだろう。

右写真: 左パティシエ・シェフ ロラン・ジャナン、右 冬には欠かせない身体を温めてくれるホットチョコレート ©Bristol

www.lebristolparis.com


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(取材・文 Kaoru URATA)

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