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うっとり夢見るようなクリスマスケーキ。新年の悦びを家族や大切なひとたちと分かち合うためのお菓子たち。パリのホリデーシーズンは、そんな甘くてロマンティックな口福の使者たちであふれている。パリから届いたとっておきのホリデースイーツを2回に渡ってお届け。後編では、アーティスティックなほどに美しい「レクレール・ドゥ・ジェ二」のエクレアと「アンジェリーナ」のガレット・デ・ロワ(王様たちのガレット)をご紹介する。

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エクレア専門店のレクレール・ドゥ・ジェ二

ジュエリーのように艶やかな光沢と素材感で魅了して悩ましい、エクレアのラインナップ。「天才的なひらめき」と「素晴らしいエクレア」にニュアンスを置いた、レクレール・ドゥ・ジェ二は、ピエール・エルメやセバスチャン・ゴダールのもとで修行し、キャリアを積んだクリストフ・アダンが創業した、エクレア専門店である。

単一商品で勝負しようと決意したのは、フォション時代に、当時は、チョコレートやコーヒーなどの伝統的なエクレアしか販売されていなかったが、オレンジ色のエクレアをイベントの際につくったことが契機になったともいえる。まさにマカロン戦争真っ只中であり、エクレアは、フランス人が最も好む菓子であるものの、どこのブランドもそうした点に着眼しなかった。
2012年、マレ地区にレクレール・ドゥ・ジェ二をオープンさせた。従来のエクレアより、食べやすく、ひとまわり小さくして、魅力をアップさせた。100種以上のフレーバーを提供する。

日本では、10月8日に、高島屋日本橋店と横浜店がオープンした。現在では、12種類のエクレアを販売する。そのうちの3種類、「抹茶&あずき」「モンブラン」「タタン」は、日本の原材料と味覚にあわせた、日本オリジナルである。

エクレアで祝うクリスマスも、どこかとてもお洒落に感じられる。

http://www.christopheadam.com/#

写真上:2014年パリ店で販売されるクリスマスセレクション「Le coffret001」。12月13日~31日までの限定商品
© L'Eclair de Génie




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アンジェリーナのガレット・デ・ロワで2015年の吉を祝う

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家族や仲間たちと、一年の幸運を祝福するならわしが、このガレット・デ・ロワ(王様たちのガレット)である。伝統的には、宗教にちなんで公現祭の日に、集まった人たちで、最も若い人がテーブルの下に入り、ガレットを人数分に切った人が示した一切れを誰に分けるか指図する。そのどれかに、フェーブ(そら豆)が入っていて、当たった人が王様として一年の幸運を授かる。そして、紙製の金の王冠をかぶり、その方が男性であれば、銀の王冠を女性に贈る。現在のフェーヴは、主に陶製の人形やマスコットなどである。

parisweet3そこで、2015年、アンジェリーナは、滑らかなアーモンドクリームの伝統的なガレットの他に、チョコレートと栗、ブリオッシュのオリジナルな味覚が加わる。当店ご自慢のモンブランのケーキの形をしたものから、カップやチョコレートボトルの形をしたフェーヴが隠れているのだそうだ。

http://www.angelina-paris.fr/fr/

写真上:王様たちのブリオッシュは、柑橘類のピール、チョコレートチップをまぶしたブリオッシュで、栗をトップに飾る。
写真右:チョコレートと栗のガレットは、アーモンドクリームとペルー産ブラックチョコレートのガナッシュと栗を組み合わせた、当店ご自慢の逸品。
© Angelina




(取材・文 Kaoru URATA)

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