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渋滞で体力を消耗した上に、現地の滞在時間が少なくなるくらいだったら、飛行機を利用して、もう少し足を延ばすことを考える。現地でレンタカーを借りる、もしくは公共機関をフル活用するのである。格安航空会社(LCC)が登場してから、旅の選択肢が増えた。 新幹線の車内販売のように飲食を楽しみたい人は機内で購入し、コインロッカーのように大きさによって料金を支払って、荷物を預ける。LCCは自分が利用する分だけ支払いすればいいのである。だから、基本運賃が安いのだ。

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ehime01 東京駅から成田空港第三ターミナルまでの直行バスの運賃が1000円、今回利用したジェットスターでは、残席数によって運賃は変わるが、この日は5,990円で愛媛の松山空港へ。(手数料、諸税を除く)両方合わせても、東京から浜松や東京から長野までの新幹線代よりも安い。そう考えると一泊二日で気楽に出掛ける候補地はぐっと増える。
特に国内線が充実しているジェットスターは、時間とお金を賢く使うために飛行機を利用するという考え方を一般的にしてくれた。


写真:ジェットスターの国内線は全て同じ機種。実はそれが価格につながっている。

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写真上:道後温泉本館。別名「坊ちゃん湯」。小説「坊ちゃん」の主人公が湯船で泳いで注意の貼り紙をされたことにちなみ、浴場に「坊ちゃん、泳ぐべからず」の札が揚げられている。

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ehime02 松山空港に降り立ち、道後温泉へ向かう。その前に、三津浜に立ち寄るのもおススメである。500年の歴史を持つ渡し舟に乗り、現役の産業遺産である港山の造船所などを眺めながら港町を散策し、文科省の登録有形文化財である古民家を利用した鯛メシ専門店「鯛や」で、地物の天然鯛を使った鯛メシ御膳を食する。焼いた鯛を、しょうゆや塩で味付けした半炊き状態の炊き込みご飯の上に載せた愛媛の郷土料理である。

写真右:三津浜「鯛や」の鯛メシ。こちらは炊き込み型。「鯛や」の二階の資料館もおススメ。正岡子規を輩出した俳都「松山」の史料が残っている。

ちなみに鯛メシは、松山を含む東予・中予地方の炊き込み型と宇和島など南予地方の、鯛の刺身を炊き立てのご飯に載せ、生卵をかけ、ごまや刻み葱などの薬味をのせて食するぶっかけ型の二種類がある。

さて、日本書紀にも登場し、日本最古の湯とも言われる道後温泉。1894年に改築された現在の木造三層楼の道後温泉本館は、1994年に公衆浴場としては初めて国の重要文化財に指定された。昨年、道後温泉本館を中心とした温泉街を草間彌生や皆川明など様々なアーティストの作品で彩った道後アートが話題を呼び、今年度は、写真家で映画監督の蜷川実花をメインアーティストに迎え、彼女の鮮やかな色彩の作品を楽しむことができる。部屋自体が作品になっている空間(大和屋本店や道後プリンスホテル)もあり、宿泊することも可能である。

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大和屋本店のロビー。蜷川実花の写真によるオリジナルランプシェードが出迎えてくれます。部屋自体が作品になっている数寄屋造りの和室に宿泊することもできます。メインビジュアルの写真を使用した浴衣は、道後温泉本館および13の旅館で貸出可能。同じくメインビジュアルをラッピングした路面電車も走っています。

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ehime05また、愛媛ならではの特産物を堪能できるホテルもある。例えば「道後やや」は、エレベーター前にタオル生産量日本一で知られる今治市が誇る様々なブランドの商品が並び、宿泊客は温泉で使用するタオルを選ぶことができる。また、正面玄関には蛇口が三つ並んでおり、ひねるとみかんジュースが出てくる。「かんきつ王国である愛媛県は、小学校の蛇口からみかんジュースが流れる」といった都市伝説があり、それを実現したのである。

これから旬を迎えるみかんは、温泉街に隣接した道後商店街でも存分に堪能できる。愛媛みかんジュース専門店「10FACTORY」では、愛媛のさまざまな種類のみかんを100%生搾りジュース、生アイス、ジェラートなど様々な形で楽しめ、「みかんの木」では、白あんと餅生地とみかんの絶妙なバランスのみかん大福を味わうことができる。温泉の後に地ビール「道後ビール」もいいが、温泉の後に「みかんづくし」というのもいいものである。

写真右:「みかんの木」のみかん大福。みかんは時期ごとに産地を厳選し、大福に最適なものを使用する。

>>アートと自然をめぐる旅 EHIME 後編へつづく。

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『蜷川実花×道後温泉 道後アート2015』

道後温泉本館改築120周年の大還暦を迎えたことを記念して開催された「道後オンセナート 2014」の基本コンセプト「最古にして、最先端。温泉アートエンターテイメント」を継承し、メインアーティストに写真家・映画監督である蜷川実花を迎え、「地域資源+アート=まち巡り」をテーマに新たに展開した「蜷川実花×道後温泉 道後アート2015」。2015年5月1日から10カ月の会期中、道後地区に様々なアート作品を展開中。

■「道後温泉物語」 道後温泉旅館協同組合
http://www.dogo.or.jp/pc/

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