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摩天楼が林立する中心部から東に車でわずか15分。シンガポールで初めてヘリテージタウン(歴史地区)に指定されたカトン地区には、「プラナカン様式」といわれるノスタルジックな伝統的な建築群が残されている。 「プラナカン」(「ここで生まれた」という意味)とは、15世紀にマレー半島にやってきて、現地の女性と結婚した中国人やインド人移民の子孫のこと。カトン地区には彼らが作りだした、マレー・中国・欧米が入りまじったエキゾチックな文化が今も息づき、その独特な伝統を残した建築物が色彩豊かな街並みを作りあげているのだ。パステルカラーを多用しプラナカン建築は華やかでフォトジェニック! そんなネオ・ゴシック様式など西洋のスタイルと中国式の装飾が同居するプラナカン建築の建物では今も人々が生活している。


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カトン地区は決して大きくはない。半日もあればじゅうぶん歩いて見てまわることができるエリアに、小規模のショッピングモール「112カトン」やシンガポール人デザイナーの作品を中心に取り揃えたブティック、プラナカンテイストの雑貨、お菓子が買えるショップが点在。建物同様、かわいらしい色使いの食器は、お土産としても喜ばれそう! 民族衣装の「ケバヤ」や、細かくビーズ細工が施されたシューズも人気が高い。

特別なものはなにもない。でも「かわいい」という言葉がどこよりもしっくりくる街並みは、時間を気にせず地図を持たず、気の赴くままに歩くのがきっと楽しい。また、ここ数年、カトン地区にはおしゃれな飲食店が続々オープン。スパイスとハーブをたっぷり使ったプラナカン伝統のニョニャ料理はもちろん、ラクサやバクテー、カヤトーストなどローカルフードの老舗もあり、地元の人々にグルメスポットとしても注目されはじめている。

エキサイティングな近代都市としてのシンガポールも魅力だけれど、愛らしく、穏やかな空気が流れるカトン地区もぜひ訪れたい場所のひとつ。そう遠くないエリアに、対極ともいえる街並みが同居する多様性こそ、シンガポールを旅する醍醐味かもしれない。

写真右: 上 プラナカン建築は明るいパステルカラーが特徴。そのカラフルな外壁に草花の装飾が施されている。 下 建物同様カラフルなプラナカンの伝統菓子。ココナツミルクを使った自然な甘さで、思いのほか、パクパクといただけてしまう。

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ニョニャ料理がルーツのラクサの名店!
シンガポールのローカルフードとして知られる、ココナッツミルクベースのスパイシーな太麺スープ「ラクサ」は、ニョニャ料理が由来。そのため、カトン地区にはラクサの店がいくつもあるが、地元の人にとりわけ人気が高いのがこちら。クリーミーでありながらスパイシーなスープが後を引く。もっと辛くしたいなら、別添えのチリをお願いすることも可能。こちらの店をはじめ、本場・シンガポールでは、短い麺をレンゲですくって食べるのが一般的だ。

INFO:
<328カトン・ラクサ
住所:216 East Coast Road, Singapore


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地元の人々に愛さ続ける、シンガポールの朝食の定番スタイル

1カヤトーストというとかりかりに焼いた食パンに、バターとカヤジャムをのせたものを想像する人が多いかもしれないが、地元の人たちが愛してやまないこちらの店では、自家製の丸いパンのトーストに、パターとカヤジャムをぬって提供するスタイル。かりっ&ふわっとしたパンに、半熟たまごをからめるのが定番の「朝ごはん」だ。営業時間中、とくに朝には、地元の人々がひっきりなしにやってきて相席で食事をとっている。店のおばさんたちの愛祖はないが、レトロな建物とともにそこまた「味」かもしれない。

INFO:
真美珍茶室
住所:204East Coast Rd, Singapore

(text by aya hasegawa)

シンガポール 後編に続く。


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