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「フィンランド」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。このところ注目が集まっている、フィンランドデザインにムーミン、夏の白夜、オーロラ、サンタクロース──。そう、そのどれもがフィンランドの魅力だ。また、ここ最近は、国土の約7割を占める森林部分やたくさんの湖(その数、なんと19万近く!)、39の国立公園を有するフィンランドに住む人々の、自然と共存するライフスタイルにも注目が集まっている。

東と西の交わる場所に位置するフィンランドは、日本からもっとも近い、ヨーロッパの国のひとつ。そのためストップオーバー(途中降機)──経由地としても存在感を増している。フィンランドを経由して、その先のヨーロッパに足を延ばす旅行者も多い。2016年から、フィンランド航空のストップオーバーを利用すれば、5時間から最長5日間、フィンランドへの“寄り道”が楽しめるストップオーバー用の魅力的なプログラム「ストップオーバー・フィンランド」も展開中[http://www.visitfinland.com/ja/stopover/]だ。
最終的な旅行の目的地にしても、ストップオーバーの場所としても、フィンランドは魅力的な国だ。その拠点はやはり首都のヘルシンキとなるだろう。

(写真上)フィンランド発のデザインハウス「マリメッコ」。

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訪れたらきっと好きになる!
海と緑に囲まれた北欧デザインの聖地・ヘルシンキ


23フィンランド南部に位置するヘルシンキは、バルト海に面した美しい港町だ。森の中に街があるといってもいいくらい、いたるところに緑が点在するのどかさと、デザインの最先端都市として知られるモダンさが共存している。見どころが約4km四方のなかに集中している1日で回ることができる規模感、トラムやメトロなど公共の交通網の発達も、旅行者にとってはうれしい。街の至るところに、風景、ショップのウインドウなど、「かわいい」があふれている。フィンランドを舞台にした邦画「かもめ食堂」公開後、日本からの女性の旅行者も増えているそうだ。

(写真右)街中には水辺の緑あふれるカフェが点在。暮らしが自然の景色に彩られているヘルシンキの日常。

no title フィンランドデザインの代表格として知られる「マリメッコ」や「イッタラ」など、街の至るところに、足を踏み入れたくなるようなブティックや雑貨店などが点在している。「デザイン・ディストリクト」と呼ばれるエリアには、その名のとおりフィンランドをはじめとする、フィンランド近隣の北欧デザインのお店が集中している。日本に上陸していないブランドにも質の高いものがたくさんあるので、「青田買い」をしゃれこんでみるのも楽しいはず。

(写真左)ヘルシンキにあるマリメッコのショップ。

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(写真上)ヘルシンキは北欧雑貨、家具の宝庫。個性的で、デザイン性の高いアイテムにであうことができる。http://lokal.fi Image ©Katja Hagelstam 


大聖堂がランドマーク 愛らしい石畳の街を歩く

hel45ドイツ人建築家のカール・ルードヴィッヒ・エンゲルによって設計された大聖堂は、ヘルシンキのランドマークとなっている。御影石が敷き詰められた市民広場は市民の憩いの場だ。中央にはロシア皇帝アレクサンダー2世の像が鎮座する。

愛らしい街を、石畳の街をコツコツと音を立てながら歩くだけでも気分が高揚してくる。寒くない季節には、街の至るところにある公園で、地元の人々とともに憩うのも、とっておきの時間となるはずだ。

(写真左)青と白のナショナルカラーに彩られたヘルシンキ大聖堂は、市民の憩いの場であり、この街を象徴する存在だ。

季節によっては、街のマーケットをのぞいてみてはどうだろうか。短い夏から秋にかけては色とりどりのベリーが並ぶ。ベリーはフィンランドの人々にとって生活に密着した貴重な食材。パイの材料やジャムにするほか、料理の付け合わせにもよく使われるし、マーケットでみかけることも多い。夏場には森に自生するベリーを摘みに出向き、冷凍やジャムにして保存するという人も少なくない。夏には観光客向けのベリー摘みのツアーもあるので、興味があれば参加してみてはどうだろうか。

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(写真上)ヘルシンキの2大マーケット「ハカニエミマーケット」、「オールドマーケット」は、いずれも100年以上の歴史を持つ、市民の愛すべき「台所」だ。

そう、その国ならではの料理や食材も旅の楽しみのひとつだ。フィンランド料理を表現する明確な基準はないが、フレッシュな魚介類、肉、野菜を使った料理が多いのが特徴だ。とくにサーモンとじゃがいもはフィンランド人のソウルフードといっていいかもしれない。さまざまな料理に姿を変えて食卓に登場する。前述のように、肉料理などに酸味のあるベリーを合わせる料理も多い。7月下旬から10月にかけてシーズンを迎えるザリガニ、トナカイもよく食べられる。また、ヘルシンキには、足を踏み入れたくなるようなかわいらしいカフェもたくさんある。魅力あふれる街で、思い思いの時間を過ごしたい。

取材協力・写真提供=Visit Finland(フィンランド政府観光局) http://www.visitfinland.com/ja、text Aya Hasegawa

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私の北欧フィンランド
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