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シャトー・ムートンやオーパス・ワンを手掛けた世界的醸造家 パスカル・マーティ氏が、構想から7年かけて新たに挑戦したのは、日本酒酵母を使った超低温発酵の白ワインだった。「このワインは世界中の醸造家にとってキメラのような存在だった。たとえ絵には描けても実現できない夢、と思っていた。」氏はそう語る。

超低温熟成の糸口となった日本酒の「吟醸造り」についてのノウハウは、「獺祭」の生みの親である山口県岩国の旭酒造 櫻井博志氏。そして、酵母の提供には日本酒の発展に100年以上尽くしてきた日本醸造協会が協力し、「神の雫」の原作者 亜樹直氏によって「ぎんの雫」と名付けられたこの白ワインが遂に誕生。2019年11月14日、日本上陸し発売となった。それは日本の伝統、フランスの文化、チリのテロワールが揃い、日本酒でもワインでもない、新しいもの。「ぎんの雫 グット・ダルジャン(GIN NO SHIZUKU GOUTTE D'ARGENT)」は、既にワイン業者の間で引き合いが殺到し話題をさらっている。

ginnoshizuku2白ワインの魅力となるアロマは、できる限り低温下で発酵を行うことで最大限にその効果、魅力を高めることができる。しかし、低温発酵に適したブドウ酵母がなかったことから、専門家や現場の醸造家の認識においても、その加減温度は12度程度というのが定説だった。仮に発酵が進んだとしても、満足のいく味わいにならなかったり、アルコール度がワインとして一般的な水準に達しなかったり、と満足な結果が得られない状況の下で、10度以下の低温下で完璧なワイン醸造のプロセスを進めることができれば、その白ワインは画期的な商品となるはずである、とマーティ氏は考えていたという。そんな時、日本酒造りは発酵温度5度以下で進む段階があることを知り、漠然と思い描いていた低温発酵ワインの製品化というプロジェクトが具現化した。マーティ氏は、日本国外在住の外国人として初めて日本醸造協会に入会を果たし、日本酒造りのプロフェッショナルである旭酒造の櫻井氏(写真右:マーティ氏と櫻井氏)とともに、その情熱は実を結ぶこととなった。

2019年発売の「ぎんの雫 グット・ダルジャン(GIN NO SHIZUKU GOUTTE D'ARGENT)」は、ソーヴィニョン・ブランとシャルドネの2種。マーティ氏が最初に選んだブドウは、アロマティックな味わいが特徴のソーヴィニョン・ブラン。他の品種より収穫が早く、醸造所を最初に使えることもその理由のひとつだったという。これは酸化防止剤を使用しない「ぎんの雫」の製造にとって特に重要な点だ。
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実際の醸造過程では通常のワイン製造の3倍以上の時間を要して発酵を行われた。完成したソーヴィニョン・ブランは、ハーブや柑橘を思わせるアロマと白桃や白い花の芳醇な香りをたたえていながら、大吟醸酒のようなローズペダルやヒヤシンスを思わせる花のニュアンスも感じられるユニークな味わいに仕上がった。キレのある酸味とシャープな辛口というワインが多いソーヴィニョン・ブランとは対極にクリーミーで厚みのあるボリューム感が特徴的だ。そして2つ目の品種のシャルドネは、ソーヴィニョン・ブランの製造時よりさらに低温の5~8度で発酵させることに挑戦。120日~130日という通常の10倍もの日数をかけて造られた。シャルドネはソーヴィニョン・ブランとは対照的なエステル系のアロマを持ち、タンパク質やタンニンなどボディを構成する要素も見られるワインであるため、マーティ氏は、白ワインより、むしろ赤ワインの作り方を参考にしたという。出来上がったシャルドネは、ふくよかで熟度感のある味わいでありながら、長く続く余韻は軽やか。またほのかな塩気を感じさせる。世界初のユニークな味わいを持つ「ぎんの雫」だが、お刺身や貝料理など、比較的ワインが合わせにくい和食でも見事にマリアージュするという実用性も魅力だ。

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新しい香り、味わい、価値観を持つ新世代のこのワインの発売を記念し、日本初のワインテイスターとして活躍する大越基裕氏(写真上右)が監修するマリアージュコース(全4品:写真上左)が、六本木のフレンチビストロ「ル・プティ・マルシェ」にて2020年1月より展開される予定。「ぎんの雫」の世界観を余すところなく体験できる絶好の機会を、1年の始まりにぜひ堪能してみてはいかがだろうか。

<六本木フレンチビストロ「ル・プティ・マルシェ」ぎんの雫 マリアージュメニュー 概要>
ル・プティ・マルシェ 東京都港区六本木6‐1‐12 21六本木ビル2F
Tel:03‐3401‐2929
http://le-petit-marche.net/
ソーヴィニョン・ブラン用 マリアージュメニュー 2品
・鮑と帆立のセヴィーチェ
・エビのフリット、マイクロコリアンダー、バジルとパイナップルのサラダ仕立て
シャルドネ用マリアージュメニュー 2品
・生春巻き An Di style
・塩麹でマリネしたビゴール黒豚の低温調理 クレソンと日向夏のサラダ添え
料金:5,000円前後予定(白ワイン各種1杯付き)

■パスカル・マーティ氏 プロフィール
フランス・カタルーニャ地方出身。シャトー・ムートン、オーパス・ワン、そしてアルマヴィーヴァという数々の名作ワインを手掛けてきた世界トップクラスの醸造家。畑、醸造所を整備し、必要な物を造り上げ、チリに本格的なワイン造りのシステムをもたらしたことも高く評価されている。2008年、自身のワイナリー「ヴィニャ・マーティ」を設立」。

■大越基裕氏 プロフィール
ワインテイスター/ソムリエ、International A.S.I Sommelier Diploma /WSET Sake Level 3 & Educator。3年間渡仏し栽培、醸造の分野を学びディプロマを取得。帰国後、銀座レカンのシェフ ソムリエに就任後、独立。日本初のワインテイスターとして、日仏を往復しながらワインの本質を伝え続けている。日本酒、焼酎にも精通し、ワインと日本酒を組み合わせた食事とのペアリングには最も定評がある。外苑前にモダンベトナム料理店An Diをオープン。

■お問い合わせ:株式会社トゥエンティーワンコミュニティ
東京都港区六本木6‐1‐12 21六本木ビル 6F
Tel:03-5413-3211
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