anabeppu2
2019年8月、大分県・別府温泉に、別府の温泉文化と、70年を超える歴史を持つインターコンチネンタルの豊かな経験をあわせもつ、大分県初の外資系ラグジュアリーホテルとして「ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ」がオープンした。 全89室の客室は62~212平米とゆったりリゾート仕様。うち21室のスイートとクラブルームの客室テラスにはプライベート露天風呂を配した。

インターコンチネンタルブランドと温泉──、これまでになかった組み合わせに心躍らせながら、早速足を運んでみた。ホテルに向かう車は上へ上へと進んでいく。これには到着する前から度肝を抜かれた。そう、ホテルは温泉街から100mほどのぼった高台にあるのだ。別府駅から車で約15から20分、大分空港からだと東九州自動車道を経由して車で約50分。別府八湯のうちのひとつで、もっとも標高の高い場所にある「明礬温泉」のエリアに差し掛かると、だんだんと硫黄の香りがほのかに漂い始めてくる。目指すホテルはそのすぐ近くにあった。

bbepputaittl1
sen

anabeppu4エントランスに入ると、大きな吹き抜けの窓を通して、別府市街と別府湾の大パノラマが目に飛び込んでくる。窓の高さは11メートル。チェックインすることを忘れて、束の間その光景に魅入ってしまうだろう。別府には何度か足を運んでいるが、こんな感動的な景色は初めてだ。新しい別府の美しさに触れた気持ちになる。ロビーだけではなく、温泉、一部の客室、そして、ホテルご自慢のインフィニティープールからも別府の街や別府湾、高崎山が見渡せる。湯けむりが立ち上る温泉街を一望するインフィニティープール。日本随一の温泉名所、別府ならではの景色を、リゾートスタイルで再発見する新体験だ。

「朝と昼、そして夜とではまた別の風景が楽しめます」と、案内してくれたスタッフが教えてくれた。なるほど夜はキラキラとした夜景が楽しめ、朝はぼこぼことあがる湯けむりの眺めが素晴らしい。ホテルから一歩も出ずに、別府を満喫した気分で満足できる。これぞリゾートホテルの真骨頂だ。

bbepputaittl2
sen

温泉の泉質は、ほのかに硫黄の香りが漂う単純温泉。敷地内にある明礬温泉の源泉を利用している。肌をやさしく抱かれるような肌触りで温度も低めなので、いつまでも、何度でも入りたい。内湯、露天風呂、別府石の岩風呂とお風呂のバラエティも豊富だ。岩風呂のまわりには植栽を施し、この温泉が以前からあったかのような演出を施しているという。また、男女別の大浴場のほか、1時間5000円で貸し切ることができる家族風呂を完備。ヴィラタイプの一軒家の施設で、インフィニティープールの次はインフィニティー温泉の登場だ。目線の先に見える別府湾の水平線を愛でながら湯浴みを楽しめるなんて、温泉に慣れ親しんだ日本人のみならず、海外からのゲストにとってもこの上ない贅沢ではないだろうか。

anabeppu5

プール・温泉エリアのラウンジ「アクア」には、開放感たっぷりのラウンジが設けられている。ブックディレクター幅允考(はばよしたか)氏率いるBACHがセレクトした本やアンティークスピーカーが置かれ、洗練された空間の中、湯上りの後、ここでゆるゆると過ごす時間も良さそうだ。

bbepputaittl3
sen

anabeppu3

レストラン施設は2つ。メインダイニングの「アトリエ」では地元九州の食材を中心に、フレンチをベースとしながらもコンテンポラリーなアレンジを加えたフルコースが楽しめる。大分産牛肉を地元の樫や竹を使った炭で仕上げるなど、徹底的に大分の地産にこだわった。オールデイダイニング「エレメンツ」は、郷土料理も取り入れたハーフブッフェスタイルを採用。晴れた日に朝食をテラス席でいただく心地よさといったらない。この雰囲気に身を置くとつい忘れがちだがここは日本。おいしい白米もきちんと用意されていた。それでいて、パンは15数種類もあって、まさに至れり尽くせりだ。

”湯けむり”インフィニティーに癒される ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ(2)へ。

文/長谷川あや

information


lc_logoANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ

所在地:大分県別府市大字鉄輪499-18
Tel:0977-66-1000
予約・問い合わせ先:
ANAインターコンチネンタル別府リゾート&スパ0977-66-1000(代表)、06-6347-1202(宿泊予約課)、0977-76-8275(レストラン)
https://anaicbeppu.com/
https://www.ihg.com
https://www.anaihghotels.co.jp/