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ジメジメとした梅雨が上がる気配を感じる7月は、夏への扉。青く澄み渡った空とヴァカンスに想いを馳せながら、暑い夏を乗り切るための体力づくりにも心を砕きたいところ。食事でスタミナ補給するのには、やっぱりしっかり肉系? 友人たちとワイワイ、焼肉を食べて盛り上がるのも悪くはない選択だが、大人女子としてはスタイリッシュさにもこだわるべき。

(写真上)ラム肉を桜チップで30秒間燻製することで脂を落とし、すっきりと。脂を敬遠する人に脂の旨みを知ってほしいという願いから生まれた一品は、ラム肉本来の香りと相まって芳しさが引き立っている/「ラムチョップ 瞬間燻製のロースト」\\2,400

オギノそんなわがままな要望に応えてくれるのが、池尻大橋にある『フレンチレストラン オギノ』。ビストロのような気軽さがあるのに、供される料理はガストロミー級の本格派。舌の肥えた、気心のおけない友人たちと集まるにはぴったりの一軒だ。

(写真右)定番の前菜は、肉の旨みをしっかりと感じられる仕上がり。食べたい量を好きなだけセルフで取り分けるという大胆かつワイルドな一品。これだけでワインを進めてしまわないよう要注意! /「お好きなだけパテ・ド・カンパーニュ」\\1,000 

オーナーシェフ・荻野伸也氏は都内有名レストランでの修行後、2年前の28歳で『オギノ』をオープンさせた敏腕シェフ。スタッフ全員が20代という、フレッシュで活気ある雰囲気も我々に元気を与えてくれる。そして、メニューも実にパワフル。ここ数年のヘルシーブームの影響か、野菜をメインにした本来のフレンチらしからぬレストランが増えている中、こちらのメニューは肉が中心。

しかも、ウサギやウズラ、ラムなどさまざまな種類の肉をフランス各地方の調理法で最も美味しく仕上げている。肉料理に思い入れが強く、内蔵料理やジビエなどを得意としている荻野氏ならではのラインナップ。また、可能な限り国産の肉を使用しているのもこだわりのひとつ。

オギノ ジビエというと秋冬の楽しみというイメージがあるが、春夏はキジバトやウズラなど淡白な白い肉を使い、秋冬はエゾジカやマガモなど力強い赤い肉を使うなどの工夫をこらせば、一年を通じて楽しめるものなのだそう。また、全国各地で定められている「特定鳥獣保護管理計画」などで処分された獣肉が突然手に入るサプライズもあるというのもおもしろい。ちなみに取材前日には、なんと北海道のヒグマの肉が仕入れられたという。このようなレアでマニアックな肉が楽しめるのも、しっかりとした仕入れルートがあるからこそ。ただし、長期保存ができないため、そんなレアな肉たちに出会えるのも一期一会。スタッフに勧められたらラッキーと思って、ぜひともチャレンジしていただきたい。

(写真左)肉料理でお腹を満たしても、デザートまであなどるなかれ。果実たっぷりで、満足感も得られる/「マンゴーとパッションフルーツのゼリー寄せ、ココナッツのソース」\\600 

ポーションの大きさも特徴的。肉はガッツリ食べてこそ美味しさを実感できるもの。今宵は夏バテ予防のためとカロリーなど気にせず、しっかりと肉の美味さを堪能すべき。パワーをあやかりに、足を運びたい一軒だ。

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai

restaurant information


オギノフレンチレストラン オギノ 

住所:東京都世田谷区池尻3-5-22 グレイスマンション1F
Tel:03-5481-1333
営業時間:(土日祝のみ)11:30〜13:30/(火〜土)17:30〜23:30、
(日祝)17:30〜21:30
定休日:月曜

田園都市線池尻大橋駅西口を出て、国道246号線を右手に直進。東京三菱UFJ銀行の角を右折し、道なりに進む。閑静な住宅地に突如現れた感がする佇まいの一軒。