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グローバル化された社会。便利になったことも多いが、デザインやアートの世界では、情報の共有による没個性化、普遍化が気にかかることも。どの文化圏の誰が創っても、どこか似ている。そして、トレンドというひとつの“流れ”として括られてしまう。 そんな風潮を尻目に、個性を輝かせているのが、スペインのファッション界だ。特にシューズは、イタリア、フランスなどモード大国に引けをとらないクオリティを誇りつつ、プライスもかなり手頃。デザイン性も高く、どこかにスペインの官能を香らせているのも魅力だ。

多くのブランドが世界展開を始めて久しい。veritaが注目したのは、「マグリット」「ハイメ・マスカロ」「ペドロ・ガルシア」「シネラ」「プーラ・ロペス」「アリマ」「ラス」という話題の7ブランド。いずれも、丁寧な職人技と国内生産にこだわり続け、欧州で絶大な信頼を得ているブランドだ。1929年創業から、第二次世界大戦中でさえ1日も休むことなく工場を稼動し続け、靴造りにまい進してきた「マグリット」は、ダンスシューズの製造からスタート。それだけに履き心地には定評があり、ハイヒールでも驚くほど安定感があり心地よい。フランスの某有名ブランドのコレクション用シューズを制作するほどの高い技術が自慢だ。もちろん、靴に求められるエレガンスとラグジュアリー、モードも備わっている。鮮やかな色のシルクを使った大胆なカラーの組み合わせ、スワロフスキーとの強い繋がりが可能にするクリスタルのデコレーションは、他では見られない官能とリュクス感を演出。スペイン王室をはじめ、ヨーロッパの王侯貴族たちが愛用しているというのも納得だ。自社工場を持つ強みで、バイヤーのニーズにきめ細かく対応できるため、同じデザインでも、国や扱う店によって違った色のバリエーションが登場するというオリジナル感も靴マニアにはたまらない。

スペインはもとより欧州全土で高い人気を誇っているのが「ペドロ・ガルシア」。1928年、メンズシューズの生産からスタートしたこのブランドは、伝統的な靴作りの中にも、攻めの姿勢を忘れないモード性の高いデザインが魅力。素材とプロポーションの絶妙なコンビネーションが、このブランドのクリエイティビティの高さを何よりも物語る。モダン&カジュアルなスタイルがお好みなら、日本でも知られる「ラス」がおすすめ。動物の顔や花の刺繍をあしらったり、ニット素材をキュートに生かした2008年秋冬コレクションに見られるような遊び心のあるデザインは、足元にひと味違った洗練を求める人々に注目されている。

フレッシュな魅力とエネルギーに満ちた「アリマ」も印象的。レトロでクラシック、モダンでキッチュな最新シーズンのコレクションでは、オーナメントやスタッズ、ドット柄などをあしらったデザイン、異素材の組み合わせが特徴。イタリア人デザイナー、フランカ・カッラーロの個性が存分に発揮されている。「プーラ・ロペス」は、アバンギャルドな香りを好むファッショニスタに。ハイクオリティレザーを使った繊細な色使い、こだわり抜かれたプラットフォームヒール、グラマラスなカーブ、程よいボリュームのシルエットなどディテールに痺れる。“体を支える小さな作品は必ずトップクオリティでなければならない”という信念が生み出すシューズは、一度履いたら病み付きになること間違いなし。足元を綺麗に見せるカッティング、ベーシックながらも程よいトレンド感が際立つ「シネラ」も人気だ。

スペインシューズまた、今年で創業90周年を迎えるハンドメイドのバレリーナ・シューズの本家「ハイメ・マスカロ」は、リンジー・ローハンやクラウディア・シファーらセレブが愛する元祖バレリーナ・シューズで乙女ごころをくすぐる。毎シーズン、素材、デザイン共に豊富なバリエーションが楽しませてくれるが、最新コレクションでは定番のグリッターラメ素材にマルチカラーが登場。よりキュートに、より華やかに、足元の軽やかさを演出してくれそうだ。

これらスペイン・ブランドのもう一つの共通点は、ファミリー・ビジネスが基本であること。代々受け継がれてきた伝統と個性を誇りながらも、斬新さを取り入れることも恐れないシューズ・メーカーたち。時代と共に進化し続ける“Designers Shoes from Spain”が世界を席巻し始めているのも、当然のことなのかもしれない。

text / june makiguchi、photo / pawel jaszczuk (JAIME MASCARO))
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