ベルギー国民にとって、チョコレートは生活に欠かせないものであることが深く理解できるほど、ベルギーでは王室御用達から街場の小さなショコラティエまで、数々の高品質なチョコレートが楽しめる。ベルギーチョコレートの特徴は、最高級カカオを使用したまろやかな口どけ。 そして、なにより特筆すべきものは20世紀初頭に発明されたという、ナッツやリキュール、フルーツを用いたプラリネをフィリングとして詰める手法。ベルギーのチョコレート職人たちの知恵と技が、世界のチョコレートに革命を起こしたといってもよいだろう。

(写真上)2人で楽しむスイーツコース（女性同士でも可）。前菜は、パリブレストにカスタードクリームとチョコレートカスタードをはさんだもの（取材時）。『デセール パルタジェ』（ドリンク付き）2人で\\5,000（税込）

さまざまなショコラティエの中でも世界中に愛好家が多い『デルレイ』は1949年の創業以来、手づくりのこだわりゆえに北ベルギー アントワープにある本店のみで活動をしてきた一軒。そんな頑固一徹ともいえる名店が満を持して、初めて海外出店したのが2004年の秋とつい最近のこと。伝統とファッションの街であるアントワープとどこか似た雰囲気を持つ銀座の地が選ばれたのだ。

（写真左）ベルギーのフィリップ皇太子の来店を記念した日本限定品『ロイヤルアイスクリームショコラ』。カカオ本来の濃厚で味わい深い一番人気の 「サントメ」、アロマとほのかな酸味が個性的な「マンジャリ」、天然バニラの香り漂う「ジヴァラ」　各\\2,300（税込）

（写真右）ウサギの耳のようにトッピングされたワッフルの食感はさっくりと、上部のなめらかなプレミアムアイスクリームとフローズンチョコレートムースにベストマッチする。下層はヨーグルトやマンゴーのソルベやパッションフルーツのソースがさっぱりとしていて最後まで飽きずに完食できる今シーズンの新製品パフェ。『ワッフルパルフェ ショコラマンゴー』\\1,680（税込）　

ショコラやアイスクリームは本店より空輸で運ばれてくる。風味や鮮度を保つことが困難だった、保存料未使用のフレッシュクリームのショコラも特別な冷蔵庫によって問題がクリアとなったため、本店そのものの味が日本でも楽しむことができるのだ。

ショップと同様、人気なのがカフェ。本国のレシピに基づき、フランスで修行をした女性のデセールクレアトゥールが作り出すデセールたちは、女性のハートをグッと掴むものばかり。自慢のショコラやショコラを用いたメニューはもちろんのこと、ベルギーを代表するスイーツであるワッフルが素晴らしい。

本国から取り寄せた機械を使って220℃で一気に焼き上げるブラッセルワッフルは、食感がサクサク＆ふわふわの口あたり。ひと昔前、日本中でブームを巻き起こした、甘く、しっかりとした生地で食べごたえのあるリエージュワッフルとはまったく印象が違うので驚くはずだ。都内でも、本格的なブラッセルワッフルが楽しめるカフェは少ないという。デルレイでは、パフェのトッピングなどに惜しみなく使われているのが、なんとも贅沢で幸福な気分にさせてくれる。

そしてこのワッフルを思う存分楽しめるメニューとしてオススメなのが、2人で楽しめる新しいスイーツコースだ。すっきりとしたのどごしのチョコレートドリンクのアミューズから始まり、日替わりの前菜、メインのブリュッセルワッフルで〆る。かなりボリューミーなポーションだが、その軽さゆえパートナーとシェアしながらペロリといけてしまうはず。銀座でのショッピングや観劇観賞などの合間にぜひ、友人やパートナーなどカップルで立ち寄ってみてはいかがだろう。

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai