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東京、パリ、ニューヨーク。この三都市が「世界三大食の都」であることは、世界中のグルマンたちも迷わず認めることであろう。東京は、寿司、そば、天ぷらなどの日本料理を枝分かれさせてそれぞれの魅力を突き詰め、パリはフランス料理を芸術と呼ぶにふさわしいまでに高めた。 この2カ国は伝統的な料理を進化させてきたわけだが、建国230年余りのアメリカには形式的な伝統料理などはない。しかし、世界各国からやってきた移民たちがもたらした食文化を吸収して花を開かせたのだ。

(写真上)白金豚ポークチョップのグリル リンゴの香り 100g \\1,200(300gよりオーダー)きめ細かく、やわらかな白金豚のグリルをアニスやカルダモンなどのスパイスを加えたリンゴのピュレといっしょに。肉の旨味がありながら、さっぱりとした口あたりの白金豚とリンゴの組み合わせが非常にさわやかな一品

57 そんなニューヨークのレストランスタイルにインスパイアされて誕生したのが、「57」。ニューヨークらしい雰囲気に“東京のこだわり、情緒、繊細さ”が融合されており、今までにないエキサイティングで洗練されたシーンを求めて昨年5月のオープン以来、感度の高い人々が夜な夜な集う場となっている。

提供される料理も超一流。ニューヨークの三ツ星レストラン『ジャン・ジョルジュ』で日本人初のスー・シェフとなった米澤文雄氏が腕をふるうのだから。米澤シェフは、なんと若干27歳! しかも渡米4年でスー・シェフの座を手に入れたというからその実力は末恐ろしい。そのうえイケメンときたものだから、女子たるもの一度は足を運ばずにはいられない。

(写真右上)ワイン各種 カリフォルニアワインを中心に、厳選されたものが楽しめる。オススメは、Perry Creek Muscat Canelli 06(\\7,400)やClouby Bay 06(\\7,200)、Wood Ward Canyon 02(\\15,100)など (写真右下)じっくりローストしたビーツとゴルゴンゾーラのサラダ ハニーマスタードソース \\1,500 ビーツをじっくりと蒸し焼きにして引き出した、素材そのものの甘さが後を引く。ビーツの甘さ、トレビスとエンダイブのほのかな苦味とゴルゴンゾーラの独特の旨味に、ハニーマスタードソースが絡み、複雑な美味しさを生み出している。

57内装・デザインは、ニューヨークで最も注目されているグレン・コーベン氏によるもの。「ラウンジ」「カジュアル・ダイニング」 「フォーマル・ダイニング」の3つのゾーンに別れているのがNY的。10人単位の集まりから300人規模のパーティやイベントにも対応可能。くつろぎの場として、エキサイティングな場として、文化発信の場として、シーンに合わせて使いこなせるのが魅力のひとつ。

57 「アメリカ料理的なボリュームやダイナミックさを生かして、シンプルで美味しい料理を提供しています。味も感覚もお客さまそれぞれで、100%パーフェクトということは難しいのかもしれませんが、料理とサービス、雰囲気のすべてにおいて“楽しめる店”として評価されたいですね」と米澤シェフ。氏が得意とするのは、斬新な素材の組み合わせ、アジアや南米のスパイスやハーブの活用、フルーツから引き出す酸味と甘味の使い方など、豊かで複雑なフレーバーの表現。見た目もどこかグラマラスでセクシーだから、五感をフル活動させて楽しむべき。体調や好みによって、メニューにはない料理にも対応してくれるというのもうれしい。東京にいながらにしてニューヨークの“食カルチャー”と“ナイトシーン”を体感できる喜びを堪能したい。

(写真左)シェフ 米澤文雄 fumio YONEZAWA 恵比寿『イル ボッカローネ』や蔵前『ビストロ カンパーニュ』で経験を積み、2002年渡米。『LAN』『MATSURI』を経て、『ジャン・ジョルジュ』のスー・シェフを務める。帰国後、『57』のグランドシェフに就任

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai

restaurant information


5757 FIFTY SEVEN

住所:東京都港区六本木4-2-35
アーバンスタイル六本木三河台ビルB1
Tel:03-5775-7857
営業時間:18:00〜26:00(LO 25:30)
定休日:日曜(パーティの際は営業)