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日々、どこかで新しいレストランが誕生していると言っても過言ではない東京に、この6月、またもや注目すべき一軒が仲間入りした。それは六本木一丁目にオープンしたフレンチレストラン『Ma Chambre(マ・シャンブル)』。 フレンチといっても、私たちがイメージするフレンチとはちょっと事情が違う。まず、メニューを見ると料理名の頭に「N」と「G」というマークが目に入ってくる。

(写真上)大地に立つ西脇さんとネラの真実の卵 グリーンピースとフランス産サマートリュフ畑(コースの前菜メニュー) キュイジーヌ・ナチュレールのひとつ。真中シェフが大絶賛する信州『にしわきファーム』産の卵と野菜、それらを育てている西脇さんに敬意を払った一品。力強い風味の野菜たちに、濃厚な卵をからめて。大胆に散りばめられたサマートリュフも贅沢! 野菜だけなのに満足できるのは、素材の美味しさとそれを引き出す技量につきる

マシャンブルNとは「キュイジーヌ・ナチュレール」の略で、食材の素晴らしさを存分に活かした、身体にやさしいフレンチのこと。同様にGとは「キュイジーヌ・ガストロ」の略であり、フレンチの技を極め、極上の美味しさを追求したゴージャスな味わいのフレンチのことなのだ。 つまり、食材そのものの繊細な香りと食感を味わいたいならNを、フレンチらしい重厚で贅沢な味わいを楽しみたいのならGをセレクトすればよいという、その日の気分やTPOに応えてくれるスタイルなのだ。 かつてヨーロッパで大使のお抱えシェフとして腕を振るってきた真中正晴シェフが創り出す料理は、フレンチの伝統を守りつつ、インパクトがあることで定評がある。

(写真左)ノルウェー産仔羊鞍下肉、フォアグラの椎茸包みトリュフの香り \\3,800 代表的なキュイジーヌ・ガストロであり、真中シェフのスペシャリテは贅沢の極み。驚くほどやわらかいラムの鞍下肉とフォアグラに、椎茸とトリュフの芳醇な香り、甘いソースが絶妙に絡み合う。フォアグラ料理にはポルト酒のソースが一般的だが、あえてマデラ酒のソースで仕立てているのもシェフのこだわり。付け合わせがないのも、この料理をじっくりと堪能してもらいたいため (写真右):真鯛の燻製と帆立のリゾット \\1,800 キュイジーヌ・ナチュレールのひとつ。赤米・黒米・白米は、リゾットに適しているイタリア米を使用。お米も野菜のひとつとみなしているため、一般的なリゾットよりも水っぽくなく、お米そのものの食感と風味を楽しめる。塩を控えめに、チーズで風味づけしているのもナチュレールならでは。真鯛もポワレでなく燻製という点がヘルシーなうえ、燻されたことでコクが出て、味のアクセントとなっている

マシャンブル 身体にやさしい料理であることが前提ゆえ、素材にも並々ならぬこだわりを持つ。特に、野菜が料理にも健康にも重要ととらえ、信州から直送される有機肥料だけで作られた特別栽培野菜を主に使用しているのが、なによりの証だ。 また、ユニークなのが炭焼き料理を楽しめること。これも、素材そのものの味わいと香りが最も引き出せる調理法というシェフのこだわりから。どれをチョイスしても、フレンチの枠には収まりきらない驚きと喜びの一皿に出会えるはずだ。

この店の特筆すべき点は、空間にもある。真中シェフの料理が楽しめるメインダイニングを中心に、その奥にはビジネスにも使えるプライベートサロン、ブライダルやパーティーにも対応できるグランドサロンが連なる。

(写真右)シェフの真中正晴氏。1969年、茨城県生まれ。26歳からギリシャの日本大使館に勤務し、数々の晩餐会を手掛ける。また、大使夫妻の健康を気遣い、身体にやさしい料理を研究し、素材本来の塩分や糖分を活かす手法を習得。伝統に、独自の発想を加味した独創的な料理を得意とする

マシャンブル(写真左)メインダイニング モダンでシックなのに、温かみを感じるのはエジソンランプのシャンデリアのおかげ。やわらかなグレーを基調としたインテリアも心地よい。バーカウンターでは食事も可能なので、女性の“お一人様”でもひるむことはない (写真中):グランドサロン ペルシャ柄の絨毯が煌びやかなグランドサロンは、ヴァージンロードを作ってのブライダルも可。今秋からはウエディングプランナーを起用し、本格的にブライダルを行う予定なので会場探しで頭を悩ましている方は要チェック! (写真右):ラウンジ・バー キャッシュ・オン・デリバリースタイルのバーカウンター。場所柄、外国人の利用も多く、まさに大人の社交場にふさわしい。カジュアルスタイルなので、仕事帰りに気軽に利用したい。奥には、ソファを配したラウンジスペースも

そしてエントランスを境に、キャッシュ・オン・デリバリースタイルのバーが、さらにその奥にはソファを配したラウンジスペースが設えられている。日常的に、特別な日に、さまざまなシーンに対応してくれる。フランス語で“私の部屋”を意味する店名に込められている想いが伝わってくる使い勝手のよさだろう。 気分で選べる料理、ラグジュアリーでリラックスできる空間、わがままですら最善を尽くしてくれるスタッフたち…。この大人の社交場をどう使いこなすかは、私たち自身のセンス次第である。

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai

restaurant information


マシャンブルMa Chambre(マ・シャンブル)

住所:東京都港区六本木1-6-1 泉ガーデンタワー3F
Tel:03-3560-5013
営業時間:ランチ  11:30〜15:30(LO 15:00)
ディナー 18:00〜23:00(LO 22:00)
ラウンジバー 17:30〜26:00(LO 25:30)※金曜 〜27:00
休日:土・日・祝日(ブライダルまたは貸切営業のみ)

東京メトロ六本木一丁目駅に直結するオフィスビル『泉ガーデンタワー』内。屋外型シャトルエレベーターで3Fへ、テラス奥にあるシックでモダンな一軒