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世界のアートシーンを賑わす南米カルチャー。中でも、最も注目を集める国のひとつ、アルゼンチンから今、ファッション業界に新しい風が吹き込んでいる。(写真上左)ラバープリントに切れ込みを入れた「エルゴ」は代表的なシリーズ。 レザーのような質感が特徴だが、Tramandoはポリシーとしてレザーを使わない。

(写真上右)こちらもTramandoが得意とするプリント「フィエルトロ」。ドット型の箔の重みは布にゆるやかな動きを持たせる。


トラマンド「Tramando(トラマンド)」は、2002年にアーティストであるマルティン・チュルバによって設立されたブランド。もともとファインアートを専攻し、グラフィックを学んでいた彼が、立体的な表現への興味を覚えて服作りに進出。1990年代後半には、ジェシカ・トロスマンと共に「TROSMANCHURBA(トロスマンチュルバ)」を立ち上げ、2002年9月、ロンドン・ファッション・ウィークに参加。同年末には、自らのブランド「Tramando」をスタートさせた。現在は、ニューヨークやロンドンといった世界有数の大都市でも展開し、今やビョークを始め様々なセレブに愛用されるように。日本では、2004年の秋冬より紹介されており、年々ファン層を拡大中だ。

オリジナルのテキスタイルを巧みに用いた斬新なコレクションで、本国アルゼンチンばかりか世界のファッション業界に革命をもたらした「Tramando」。

ラバープリント加工を施し、体に沿うように切れ込みを入れたシリーズ「エルゴ」はその代表格だ。デニムやレザーのように、着るほどに体に馴染み、味が出てくる。着る人がオリジナリティを表現できるとあって、アート関係者にも人気が高い

トラマンド また、移民の国アルゼンチンにおける自らのルーツを追及し、作品に表現していきたいというマルティンの想いの表れの一つとして、素材へのこだわりがある。世界的に注目されるようになった現在も、南米の生地を南米で加工することにこだわり続け、世界的な流れであるフェアトレードやサステナビリティを実践していることでも、多くの共感を得ている。

そんな「Tramando」だが、実は、いわゆるファッション・ブランドとは一線を画している。その理由はユニークで幅広い活動ゆえ。マルティンを中心とした建築家、デザイナーらによる「Tramando」のマルチクリエーター集団は、ラボ形式で様々な取り組みを実行。その中には、MoMAにも作品が所蔵されるクイッカのような有名アーティストや、国際的に活躍する写真家、ミュージシャンらとのコラボレーションも。国立バレエ団やオペラの衣装、デザイナーズホテルの設計や内装を手がけるなどの活躍も見せる。2005年に行われた愛知万博では、アルゼンチン・パビリオンのユニフォームも担当した。

(写真右)マルティンがデザイン提案した、労働条件改善や仕事価値の平等化を訴えるキャンペーンのユニフォーム。アルゼンチンの経済破綻をきっかけとしたもので、白衣をシンボルとしている

多彩な活動に貫かれているコンセプトは“TEXTILE PHILOSOPHY”。テキスタイルを通して様々なことを開発すること。

トラマンド ブランド名は、スペイン語で横糸を意味する“TRAMA”と、企てるという動詞“TRAMAR”の現在進行形、そして“AMANDO”(=愛している)から生まれた造語。その名が示すように、布を織るように人との出会いや新たな技術、新しいビジネスを広げ、様々な企画をアルゼンチンで仕掛けているのだ。

ファッションという単一のアングルでなく、アートを含めたあらゆる文化を発信していこうとうするスピリットがこのブランド最大の魅力。トレンドではなく本質的なものを世界に提案していこうとするハートも、そのパワフルな魅力を後押ししている。来シーズンからは、インテリアも日本上陸する予定なので、魅力の真髄により近づくことができそう。どんな「Tramando」ワールドを見せてくれるか、今から待ち遠しい限りだ。

text / june makiguchi

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