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ここ数年、和菓子の素材が洋菓子に使用されたり、野菜がベースになったり、甘味とかけ離れているはずの塩を用いたスイーツが爆発的なヒットとなったり、スイーツの常識がどんどん覆されている。そして、さらに新たなジャンルのスイーツが誕生した。 その素材とは、なんと「酢」! 昔から果実酢をソーダや水で割ったサワードリンクもあるし、アイスクリームにバルサミコ酢をかけたりするから、スイーツ素材として成立するのだろうが、やはり盲点だった。何より、お酢は健康素材として知られている調味料だから、昨今のヘルシーブームには最適の素材といえるだろう。

(写真上)まろやかな甘みが美味しいピスタチオの生地にグリオットをあしらったアールグレイ酢のケーキ。『FORET(フォレ)』¥460/酢イーツ指数3

酢イーツ,スクウとはいえ、砂糖やバターの甘〜い香りもスイーツの醍醐味であるのに、お酢特有のツーンとする酢酸臭で台無しになるのでは?という不安もあるかもしれない。でも、そんな心配はご無用。ほのかな酸味が全体をさわやかにまとめ、軽やかな口あたりのスイーツとして完成している。ショーケースに並ぶアイテムは見た目も可愛らしく、ショートケーキやチーズケーキ、ムースなどポピュラーなものばかりなので、お酢を使用していると言われない限り、その存在にすら気づかないかもしれないほどだ。

(写真右)白を基調とした清潔感あふれるインテリア。テイクアウト中心だが、5席あるイートイン・スペースも利用したい。駅の近くでありながら閑静な雰囲気のエリアで、ゆったりとユニークなスイーツを楽しんで

自然な酸味の秘訣は、オリジナルの果実酢にあり。黒酢、穀物酢、玄米酢に、イチゴやリンゴ、バナナ、キウイをはじめとするフルーツ、ローズヒップやミント、レモングラスといったハーブ、トマトや黒豆、焼き芋などの野菜を漬け込み、さらに熱を加えるなどのひと手間で酸味の度合いを調整しているそう。そのお酢に最適な素材を合わせて、パティシエが試行錯誤して生まれたスイーツたちだから、まったく違和感がないのだ。

また、イートイン・スペースでは、常時23種類もある果実酢をソーダやお湯、ミルクで割ってドリンクとして楽しめる。ケーキに使用されているお酢と同じものをチョイスすれば、お酢尽くしのヘルシーなティータイムが過ごせるのも高ポイント。お酢は、血液をサラサラにしたり、血圧を正常にして免疫力をアップさせる働きが期待できるというから、「甘いものを食べてしまった…」という罪悪感のエクスキューズにもなってくれる、かも。酢イーツ,スクウ

(写真右)具材がゴロゴロと入った酢ジャムは、料理のソースや隠し味としても応用できそう。「キウイ&パイナップル」「プルーン& 黒豆」など素材の組み合わせの妙も楽しい『酢ジャム』各種(大)¥530、(小)¥390

酸味が苦手だったり、不安な人にうれしいのがプライスカードに記された「酢イーツ指数」。1〜5段階で、お酢を感じる度合いが表されているので、チョイスの目安になるはず。

斬新だけど、決してキワモノではない本格スイーツで、ヘルシーにスイーツライフを楽しみたい。

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai

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酢イーツ,スクウパティスリー スクウ

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