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アメリカでは、ママの味として不動の地位を持つブラウニー。まったく個人的な嗜好ではあるが、ガトーショコラほどのしっとり感もなく、クッキーのようなクリスピー感もないどっちつかずの感じが、あまり得意とするスイーツではなかった。 しかもスイーツはルックスの華やかさも重要事項なのに、なんだか地味なのも致命傷……。しかし、恵比寿にあるチョコレートブラウニー専門店『コート・クール』のブラウニーに出会って、その先入観をあっさり捨てることとなった。

(写真左より)ザラリとした粒が感じられるほど存在感のある塩が甘さを引き立てている『塩』¥315。バレンシアオレンジがさわやかな『オレンジ』¥420。ビターな味わいで男性にも好評の『エスプレッソ』¥315。ヘーゼルナッツのキャラメリゼを練り込んだ濃厚なテイストの『アーモンド』¥420。マイルドな甘酸っぱさで人気の『いちご』¥420

コート・クールまずは、そのバラエティの豊富さ。ブラウニーといえば、オーソドックスなプレーンタイプもしくはクルミが入っているものがポピュラーだが、『コート・クール』には、フランボワーズやオレンジ、塩や生姜などのスパイスが入ったものなど常時9種類もある。どれもチョコレートに合う素材ばかり。

そして肝心なお味といえば、どっしり濃厚なのに、軽い口あたりで、まるで上質なチョコレートを食べているかのよう。今まで食べてきたブラウニーとは明らかに違う印象なのだ。それもそのはず、使用している素材を聞いてその美味しさに納得。

ブラウニーの要となるチョコレートは、世界の著名ショコラティエの多くが愛用している、かの有名なフランス・ヴァローナ社と古代の伝統製法を応用しているスペイン・チョコヴィック社のクーベルチュールを使用。小麦粉も高品質で定評のあるフランス・ヴィロン社のもの。しっとり&もちもち感の秘密である。お菓子の素材として、これほどまで贅沢で最上級なものはないだろう。ブラウニーは、材料を混ぜて焼くだけのシンプルレシピゆえに、使われる素材の味がストレートに表れ、美味しさを左右するのだ。

(写真上)週に1回程度しかお目にかかれない、幻の『バトンケーキ』各 ¥2,100(4〜5日前までに要予約)。こちらは、パッションフルーツクリームをダックワーズでサンドし、濃厚なホワイトチョコレートでコーティングしたもの。写真中央は、オレンジの砂糖漬けをチョコレートでコーティングした『オランジュ』¥630。防腐剤等を使用していないナチュラルな手づくり『コンフィチュール』ミルティーユ、リュバーブ、マンゴーオレンジ各¥840。生姜、イチジク各¥945。

しかも6種類のチョコレートを、合わせる他の素材の美味しさを最も引き出すブレンドに配合し、使い分けるというこだわりよう。ルックスも同じチョコレート色ではあるけれど、それぞれがさりげなく個性を主張している感じも好印象。美味しくて、可愛いブラウニーを多くの人に味わってほしいから、おもたせとしても活用したい気分。食べた人たちもきっとブラウニーの概念が変わることだろう。

コート・クール店のコンセプトとして掲げられている「人は、悲しい時にブラウニーを食べると元気になる。人は、うれしい時にブラウニーを食べると幸せになる」。まさしく、その通り! と思わせてくれる逸品と出会えたことに感謝したい。

(写真左)『コーヒーセット』(コーヒー、お好みのブラウニー、生クリーム+お好みのコンフィチュール)¥945 写真は、一番人気のフランボワーズのブラウニーと生クリームにマンゴーのコンフィチュール添え。挽き立てのインドネシアのコーヒー豆『トラジャ』が濃厚なブラウニーと好相性。コーヒーのアロマとブラウニーを合わせて、至福のひとときを (写真右) アジアのモダンなホテル・バーを彷彿させるインテリアや民族衣装風のスタッフユニフォームがオリエンタルな雰囲気を醸し出す店内。会社帰りには、イートイン・スペースで恋人や友人との待ち合わせをする人も多い

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai

shop information


コート・クールチョコレートブラウニー専門店 「コート・クール」

東京都渋谷区東3-9-40
Tel:03-5464-3535
営業時間:11:00〜20:00(カフェ 19:00)
定休日:水曜日