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こってりとしたフレンチは苦手……。そう思う女性は少なくないだろう。そんなフレンチのイメージを払拭してくれるのが、松見坂下にある『MIRAVILE(ミラヴィル)』だ。フレンチの主流であるバターやクリームをあまり使用せず、素材の旨味を引き出した軽いテイストの料理が楽しめる。

オーナーシェフ都志見セイジ氏は、フランスの一つ星レストランであり、店名の由来ともなった『ミラヴィル』を皮切りに、『デュノケア』『ジャンバルデ』、三ツ星レストラン『コートドール』『ジョルジュブラン』など、通算約6年をフランスで過ごした本格派。帰国後、満を持して、2000年8月に『ミラヴィル』をオープンさせる。

(写真上)「本日のお魚のポワレと無農薬野菜の温サラダ 熊本産無農薬菜種油のヴィネグレットソース」 \\3,400(税込)

ミラヴィルオードブル「ホロホロ鳥のシュプレームをハムに仕立ててフォアグラと4種の木の実のムスリーヌ フルムダンベールでコーティングして、カレーのきいたコンソメジュレ添え」 \\2,900(税込)

デザート「フルーツトマトをバルサミコ酢でマセレして蒲刈産“海人の藻塩”のアイスクリーム バジルの香りとトマトのクリスタル」\\1,050(税込)


こちらの料理は、野菜と魚介類の美味しさを引き出した繊細な味わいのものばかり。当然、素材は厳選されたもので、静岡産の無農薬野菜が週に1回、魚介類は都志見シェフの出身地である瀬戸内・三原港から毎日届けられている。かといって、「素材の味をそのまま楽しんで」的な粗野なものではない。「料理人が作るのだから、完成度が高いものでなくてはならない」というポリシーを持つ都志見シェフが、食材の組み合わせ、季節感を考慮し、フレンチでありながらオリジナル料理ともいえる、目にも美しい一皿を提供している。

メニューも特徴的で、素材、調理法、ソース…などが記され、とにかく長いのだ。これは、とかくわかりにくいフレンチをサービス係に尋ねなくてもわかるようにという心づかい。とはいえ、こちらが想像していたものを覆すサプライズがあるから、あなどれない。

ミラヴィルオードブルは、まるでデザートのような可愛らしいスタイルで登場。ワクワクしながらナイフを入れると、中には濃厚なフォアグラのムースが。胡桃、へーゼルナッツなどの木の実の食感、ちょっぴり酸味のあるブルーチーズのソースとの相性がなんともいえずに絶妙。メインは、新鮮な野菜と魚介類をあっさりと。さまざまな種類の野菜をいただけるのがうれしい。デザートも意表をつくもの。フルーツトマトの新しい楽しみ方を教えてもらった。甘いものが苦手な人でも、その美味しさに唸ること請け合いの一品だ。

渋谷の喧騒を抜けた一角にたたずむ、本格的でありながら、くつろげるフレンチは、とっておきの一軒として覚えておきたい。

text / miho sasaki 、photo / chikahito nagai

restaurant information


ミラヴィルMIRAVILE

住所:東京都目黒区駒場1-16-9 片桐ビル1F
Tel:03-5738-0418
営業時間:12:30〜14:00/18:30〜21:30
( ランチコース \2,500、\3,900 ディナーコース \5,000、\7,000 )
定休日:水曜

店舗デザインも都志見シェフの手によるもの。松見坂交差点を上り、真っ白で趣のある佇いが見えたらそこ。