深山
行き交う人々で賑わう山手通りから、住宅が並ぶ裏通りへ。ふと左を見ると、「炭火焼肉 深山」への階段が静かに佇む。階段を降りて店に入ると、広がっているのは、「焼肉」という言葉から連想される店内とはかけ離れた、落ち着いた空間と、客間を見渡す厨房。

4卓の小あがり席にテーブルの椅子席、カウンター席と、キッチンから見渡せる範囲に位置された客席には「お客様の様子に、常に気を配れるように」との店長である高西氏の思いが込められている。 白馬の人気店「焼肉 深山」を率いた高西氏が、東京にも店を構えたのは、昨年の10月。白馬の味を求めて来店するお客様も満足できるよう、より洗練された「深山らしい」味を、との思いは、食材への態度に現れている。佐賀牛、岩国高森牛、白金豚等、その日、味・見た目・匂いにおいて、美味しいと判断された肉。生でも十分食すことが出来るその肉を、注文を受けてから、一枚、一枚、店長自ら切り分ける。
深山(写真上)この日の肉、佐賀牛 特選ロース厚切り(時価)。 盛り付けてある器は、店長自ら益子で選び抜いた益子焼。鉄器以外は全て、灰皿に至っても、益子焼を使用。

高西氏の求めるこだわりは、食材のみではない。「味だけが良くても、駄目なんです。肉の見た目、匂い。そこに、接客、サービスを重ね合わせて、お客様にお出しする。これがこだわりですから。」

10月の開店以来、訪れるのは、常連客がほとんどという。「お客様がお誕生日であれば、ちょっとしたお祝いを。様々な種類を少しずつ食べたいお客様には、様々な種類の盛り合わせを。訪れるお客様と会話しながら、より美味しいものを提供していきたい」出すものへのこだわりと、リクエストに耳を傾ける柔軟性。一度訪れた人が、何度も足繁く通ってしまうのは、店長がつくる調和のとれたおもてなしが、「炭火焼肉 深山」にはあるから、かもしれない。

photo / yosuke omura text / satoko kuzushima

restaurant information


深山 炭火焼肉 深山

住所:東京都目黒区上目黒 3-16-13 CUBE M B1
Tel:03-3408-8877
営業時間:火〜土 17:00〜 03:00(ラストオーダー 02:00 )
日祝日 17:00〜 01:00(ラストオーダー 24:00 )
定休日:月曜日