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日本人でありながら、パリを代表するパティシエとして大活躍する青木定治氏。「パリの味をそのまま味わってほしい」という信念から、日仏の素材の違いに研究を重ねてその難問を克服し、待望の日本第一号店を丸の内に出店したのも記憶に新しい。 あれから3年、国内のブティックも3店舗になり、以前よりは身近になったが、まだまだ憧れのスイーツであることには違いない。

(写真上) ビビッドなピンクがショーケースの中でひと際目を引く一品。イチゴ風味のホワイトチョコレートのムースの中には、ピスタチオのクリームブリュレといちごのシロップが浸み込んだアーモンド風味のスポンジが。ベースはヘーゼルナッツサブレで、ふわふわのムースとの食感のコントラストも美味しさの秘訣『SAYA』 ¥650

パティスリー・サダハル・アオキ・パリ青木氏のスイーツの特長は、抹茶や梅など和の素材を巧妙に組み合わせること、ルックスが非常にモードであることだろう。ショーケースに並ぶケーキたちの色使い、あしらい…すべてにウットリとため息が漏れてしまうほど美しい。

(写真左)左より、アーモンドプードルをふんだんに使ったダッコワーズ風のショートケーキ『フレジエ』(¥700)は不動の一番人気商品。黒ごまと白ごまのサブレをベースに、黒ごまペースト、ホワイトチョコレート、抹茶などの和素材をブランデーで上品にまとめた『ZEN』(¥800)は大人テイスト。厳選された抹茶とチョコレートを使用した『バンブー』(¥750)は、抹茶の芳醇な香りそのものが楽しめる

そして、その見た目からはわからないが、さまざまな風味の層が重なってひとつのケーキが成り立っている。緻密な計算によって、あの美味が生み出されるのだ。だからこそ「もしかしたら、想像とは違う味がするのかもしれない」という甘党の好奇心を刺激し、「できることなら、ショーケースの端から端まですべて食べてみたい!」と魅了させてしまうのだろう。

そんな欲望を少しだけ叶えてくれるのが、サロンで楽しめる『デギュスタシオン』だ。日替わりで6種のケーキを少しずついただけるデセール・プレートは、青木氏の集大成を手軽に楽しめ、非常におトクな気分。パティスリー・サダハル・アオキ・パリ今回いただいたのは、タルト生地をベースにマロングラッセとカシスの入ったアーモンドクリームとビターなチョコレートクリームが2層になった『モンドール』、ヘーゼルナッツのクッキー生地とレモン風味のレアチーズケーキがさわやかな『チーズケークシトロネ』、ダッコワーズ生地をベースにプラリネ、生クリーム、ミルクチョコレートクリーム、チョコレートスポンジなどが5層になり、マカロンをトッピングした『ショコラプララン』、カシスの甘酸っぱさとホワイトチョコレートのコンビネーションが絶妙な『カシスイエ』、ガナッシュよりも口どけがやわらかなクリームが特徴的でビターテイストの『レックショック』、イチゴ風味のホワイトチョコレートのムースの中にピスタチオのクリームブリュレやいちごのクリームが入った『SAYA』の6種。

(写真右上)日替わりで、ひと口サイズの6種のケーキが楽しめるデセール・プレート。お気に入りの味を見つけたら、レギュラーサイズを求めてみて。スイーツとよく合う辛口シャンパーニュと共にいただくのがオススメ 『デギュスタシオン』¥1,500、『フィリポナ“ロワイヤル・レゼルブ”(グラス)』¥1,260

どれも、さまざまな食材が複雑に絡み合っているはずなのに、なぜか不思議とまとまっている。やわらかな口あたりのもの、サクサクしたものなど食感のコントラストも絶妙。

パティスリー・サダハル・アオキ・パリ青木氏オススメの、スイーツとよく合う辛口シャンパーニュ『フィリポナ“ロワイヤル・レゼルブ”』のグラスと共に楽しめば、尚一層美味しさが引き出される。『デギュスタシオン』目当てに日参すれば、ショーケースの全種制覇の日もそう遠くはなさそうだ。

(写真左)すっきりとした店内に、ケーキ、焼き菓子、パン、アイスクリームなどがところ狭しと並ぶ。奥のサロンでは、スイーツはもちろんキッシュなどの軽食もいただける。パリのエスプリを求めてオープン直後からクローズ直前までお客さまであふれかえるのは、さすが (写真右)青木氏が原点回帰の意味も込めて、力を入れている焼き菓子たち。お持たせにすれば、センスのよさをアピールできること請け合い。『タブレット』(イヴォワール セザム、セザム マッチャ、イヴォワールマッチャ)各¥1,160、『マンディアン』(オレ、イヴォワール)各¥1,470、『トランシュ オランジュショコラ』(ノワール、オレ、ブラン)各¥280、焼き菓子詰め合わせ ¥1,600、『マカロン』 ¥210 ※価格は、2008年2月27日現在

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai

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パティスリー・サダハル・アオキ・パリパティスリー・サダハル・アオキ・パリ

patisserie Sadaharu AOKI paris
東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン店
Tel:03-5413-7112
営業時間:11:00〜21:00(サロンLO 20:30)
定休日:不定休