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新しい年を迎えるこの季節。年始に久しぶりに戻った実家で、つきたてのお餅が入ったお雑煮や、小豆を炊いて母が作ってくれた甘いお汁粉を堪能した方も多いのでは。無性にふるさとや“和”な味にシンパシーを感じることが多くなるのは、私たちの持つDNAのなせる技なのだろうか。

(写真上) いちご大福 ¥230:いちごの甘酸っぱさを引き立てる白餡が上品。大粒のいちごが包めるのは、手作業ならでは。国産の高級いちごを使っているのが自慢

銀座,甘楽銀座『甘楽』(かんら)は、みゆき通りからコリドー通りに入ってすぐの場所にある。甘く楽しいと書き、甘楽(かんら)と読む。「甘いもので皆様を楽しく幸せにしたい」という思いが店名の由来だ。古き良き時代の銀座の風情を残すこの地にあって、オープンして3年という比較的新しい和菓子店。ガラス張りの明るく広いカウンター。その奥は工房となっており“和のパティシエ”こと和菓子職人が、一つひとつ丁寧に和菓子を作っている様子が伺える。お店で出される和菓子はすべてこの工房で作られたもので、まさに作る人の顔を見ることができる。また、和菓子の命である小豆は、北海道・羊蹄山の麓にある留寿郡で契約栽培したものだけを使っているというから、さらに安心だ。

(写真左上)銀六餅 ¥480(5コ入り):小さめで食べやすいし、未開封で1週間持つのも嬉しい。モチモチした食感を味わうには、開封後は2日以内に食べること

そんな『甘楽』の定番は、『豆大福』。白く柔らかな餅の中に大粒の豆。見ているだけで幸せな気分になる。つきたてのお餅のふっくらした食感は食べ応えがあり、甘さ控えめの粒餡と塩味が効いた周りの赤エンドウ豆は相性バツグン。頬張ってみれば、もっと幸せいっぱいに。ほっこり優しい気持ちになれるのも和のスイーツならでは。

銀座,甘楽店舗のある銀座六丁目にちなんだ『銀六餅』も人気が高い。一見、ミニサイズのどら焼きと思いきや、食べてみると軽く裏切られる。というのも普通、どら焼きの生地はふんわりとしているものだが、『銀六餅』の生地は餅粉入り。モチモチさは豆大福に負けないほどで、豆大福とはまた違った炊き方をした粒餡は後を引くおいしさ。可愛らしいサイズで、ちょっと小腹が空いたとき、仕事で疲れた合間に食べるのにもいい。同じく人気商品の『どら焼き』と食べ比べてみるのも、面白いかもしれない。

今の季節にオススメなのが、『いちご大福』。いちごが市場に出回る12月から夏前の5、6月までの期間限定販売だが、ファンが多く「いつから発売なの?」という問い合わせは1年中あるとか。大粒の国産のいちごを、上品な白餡で包んでおり、いちごの甘酸っぱさと白餡とのバランスが絶妙。ランチ後のおやつにと、銀座のOLさんたちが1個買いしていくことも多い。まさに銀座で働く人の憩いなのだ。

毎朝、餡を炊き、餅をつき、生地を焼いて作るから、『甘楽』の生菓子は“朝生菓子”と言う。銀座という大都会の街中で、毎朝餅つきが行われているという事実が、なんだか不思議で、でも当然のことなのだと改めて思う。昨今の相次ぐ食品偽装のニュースを聞くにつけ、この安心感はなににも捨てがたい魅力ではないだろうか。和菓子を食べるときのほっこりとした幸せ感は、誰もが知っているものなのだから。

【その他の人気ニュー】 どら焼き ¥180、上生菓子 ¥300 豆大福は6コ入り¥1,350、10コ入り¥2,200、15コ入り¥3,200、20コ入り¥4,300。生菓子は保存料を使っていないので、買ったその日にいただくのが鉄則。詰め合わせできるかごは¥150〜\\300。紙でできた風呂敷も可愛い。

text/yumiko kotani、photo/kouichi nakazawa

shop information


銀座,甘楽銀座 甘楽

東京都中央区銀座6丁目2番先(銀座コリドー通り)
Tel:03-3573-2225
営業時間:10:00〜21:00
定休日:日曜日