stayhomegekijyo
美食の街、フランス・リヨンに在るショコラティエ『ベルナション』をご存知だろうか。ショップはリヨンのみで、品質保持のため輸出もほとんどしないため、世界各国の有名ショコラティエが進出している日本でも知名度は低い。 しかし、この店はフランス・チョコレート界の第一人者である故モーリス・ベルナション氏が営み、氏の亡き後もご子息によって、その志が受け継がれている老舗なのだ。

(写真上):ショコラヌーヴォー 各¥294(税込) さわやかなゼリーとガナッシュが2層になった新感覚ショコラ。冷やしていただくと、美味しさがより際立つアイディアあふれる一品。 <上段左より> エキゾチック(トロピカル)、オレンジ、ヴァンムスー(シャンパン)、アナナス(パイナップル)  <下段左より> ヴァンルージュ(赤ワイン)、ニルギリ(紅茶)、フリュイルージュ、ポム(りんご)

ショコラティエ パレ ド オールそんなベルナション氏の薫陶を受け、ショコラティエとしてのフィロソフィーとエスプリを受け継いだのが、パティシエとして幅広く活躍していた三枝俊介シェフだ。2004年、大阪に関西初の本格的ショコラティエとして『ショコラティエ パレ ド オール』をオープンし、この春には話題のスポット『新丸ビル』内に2号店をオープンさせた。

(写真左): マール ショコラ 各¥294(税込) ニュージーランド産マヌカハニーをはじめ、イタリア、スペイン、フランスなどのハーブや果実がたっぷりつまったはちみつを使ったショコラは1年の歳月をかけて開発された。濃厚なカカオの力強さとはちみつのやわらかな風味が楽しめる。 エピス(スパイス+ナッツのはちみつ)、マヌカ(マヌカハニー)、エルブ(ラベンダー+ハーブのはちみつ)、プロヴァンス(南フランスの百花蜜)など全10種類 (写真右):テイスティング ショコラ(6個入) ¥2,100(税込) 新丸ビルオープンに合わせ、サントリーとのコラボレーションで生まれたショコラ。世界のコンテストで金賞に輝く、日本が誇る珠玉のウイスキーをショコラに仕上げた逸品 <手前より>白州18年、白州12年、響21年、響17年、山崎12年、山崎18年

昨今のショコラブームが示す通り、海外には上質なショコラブランドが多数あるが、国産ブランドで上質なショコラを発信する店が少ない、というフラストレーションを解決するために立ち上がったといっても過言ではないだろう。それゆえ、ショコラの魅力を存分に引き出す、さまざまなレシピを精力的に生み出している。その代表格が、砂糖を一切使わず、はちみつだけで甘みをつけた「マールショコラ」だ。世界初の斬新で画期的なショコラは、ヘルシーなうえに、後に残らない自然な甘みが特徴。その他にも酒造メーカー、サントリーとのコラボレーションによって生まれた「テイスティングショコラ」にも注目。醸造年別のウイスキーをガナッシュに練り込み、一粒ひと粒に凝縮された深い味わいは大人のための逸品だ。

bb5(写真左):三枝俊介プレジデントシェフ 1956年大阪府生まれ。『ホテルプラザ』にて日本洋菓子の重鎮、安井寿一氏に師事、1990年に独立。大阪を中心に、多数のパティスリーを展開している (写真右):チョコレートを彷彿させる、ダークブラウンを基調とした落ち着いた店内。ビルの奥に在るため、喧騒から逃れてゆったりと過ごすことができる。新丸ビル店限定ショコラもあるので、見逃せない

特注のショーケースで守られた50種類に及ぶ繊細なボンボンショコラたちをテイクアウトするのもよいが、併設のサロンで、その場でしか味わえないショコラとドリンクのマリアージュを楽しむのが何よりもオススメ。好みや気分などを知識豊かなスタッフに相談すれば、芸術的なアシェットデセール(皿盛りデザート)やボンボンショコラに、自分では決してセレクトしないようなマリアージュを提案してくれる。コーヒーや紅茶、ショコラショー、ハーブティーをはじめ、ワインやウイスキー、コニャック、シャンパーニュなど多彩な顔ぶれによって、ショコラの魅力は無限に広がり、益々、ショコラの虜になるに違いない。

上質なギフトとして、午後の語らいのためのカフェやアフターディナーの艶やかな場として、さまざまなシーンで楽しめる一軒の誕生だ。

text/miho sasaki、photo/chikahito nagai

shop information


ショコラティエ パレ ド オールショコラティエ パレ ド オール

東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング1F
Tel:03-5293-8877
営業時間:平・土 11:00〜21:00(LO 20:30)、日・祝 11:00〜20:00(LO 19:30)
定休日:不定休

東京メトロ丸の内線東京駅から直結、JR東京駅丸の内中央口より徒歩1分。
『丸ビル』の隣。正面入り口より、右手奥へつながる通路の一角にある。