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頭の中のおそらく80%は食べることで占められているわたし。「食べる」とはお腹がいっぱいになればいいのではなく、身体も心も満たされないとその名のごとく満足できないと思っている。音楽も同じで、「なんとなく」聴けないタイプの人間だと思う。

音楽を生業にしているものの、持っているCDの数は少ない方だ。ただ、気に入ったものは大事にするし、じっくり向き合う。そのなかでおそらくダントツなのが、このアルバムだ。

音色のひとつひとつが身体の細胞にしみ込んでゆき、水分というか、栄養というか、魂というか、何かが補充されるような感覚になる。すーっと心の繊細な部分を「満たして」くれる。

キース・ジャレット, Keith Jarrett, 大島花子

わたしの好きな言葉に「relish」という単語がある。直訳すると「味わう」なのだけれど、単に食べ物を味わう時に使う「taste」ではなく、本をじっくり味わって読む。なんて時にも登場するコトバのようだ。食事はもちろん、音楽も、そして人生も、じっくり味わってほんものの身になるようなものと触れていたい。キースの音色は、そんな気分を満たしてくれる音色なのだ。

私事なのだけれど、職種も趣味も思考もまったく違う夫に出会った頃このアルバムを教えてもらった。一見全く噛み合わない夫婦のようなのだけれど、人生を味わい深いものにこのひととならできるな。なんて思って結婚したのかもしれない。

(text / hanako oshima)

キース・ジャレット, Keith Jarrett, 大島花子

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http://ameblo.jp/hanakocafe/ これまで紹介していた妊婦さん向けのレシピなどのほか、 2月の出産を期に、育児日記も掲載していく予定。

キース・ジャレット, Keith Jarrett, 大島花子

大島花子/Hanako Oshima

歌手、女優。1973生まれ。2001年より作詞作曲、ライブ活動を開始し、2003年メジャーデビュー。現在も定期的なライブ活動の他、家族で結成したユニットママエセフィーユでのコンサート活動も行っている。また父、坂本九の福祉の心を伝えるOne step to 9の実行委員長も務める。2009年2月第一子出産予定。母と子で聴けるアルバムの制作、母子が一緒に参加できるライブの開催が2009年の目標。IPA植物療法士1級。ジュニア・ベジタブル&フルーツマイスター。食育インストラクター。