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JR目白駅の改札を出て、目白通りを横切り左へ100mほど行ったところにある甘味処『志むら』。まだ開店して間もない午前の早い時間だというのに、ご婦人や親子連れの姿が見える。地方から、また親子三代に渡ってのファンをもつ地域密着型の甘味処だ。

知る人ぞ知る、これからの季節に欠かせないスイーツ「生いちご」のかき氷は5〜6年前から出し始めたばかりだというのに、これをお目当てにやってくるお客さんが多い。太陽の恵みをたっぷり浴びた苺を、真っ赤に色鮮やかに煮たソース。プリザーブジャムのようだがその果肉との違いは、苺がより「生」に近いということ。だから酸味と種のツブツブした食感が程よく残っていて甘酸っぱさがいい塩梅。氷はといえば、近頃めっきり見かけなくなったサラサラのフワフワの氷。器に盛られた氷はガリガリ崩すのではなく、すくいながら食べるものだったということを思い出す。

(写真上) 出てきたときの感動はひとしお。生いちごの迫力に圧倒されること間違いなし。 「生いちご」¥750 (税込)

志むらサラサラ氷の嬉しいところは舌触りだけではない。抹茶のグリーンが映えるわた雪のような白さが美しい「宇治金時」は、こんもりと盛られた氷を十分楽しんだ後ちょっぴり飽きてきたかなと思ったころに、つぶあんと白玉だんごがひょっこり顔を出し、思わずにんまりする。

(写真左)ふわふわの氷を上から下から抹茶と小豆でサンドイッチ。最後のお楽しみに白玉をとっておこう。 「宇治金時」¥800 (税込)

名物「九十九(つくも)餅」は、3日かけてゆっくり甘く煮た虎豆が練りまれた求肥(ぎゅうひ)を、きな粉でまぶしたお餅だ。きな粉には砂糖を全く加えず、炒った大豆が香ばしさがそのまま残る。素材へのこだわりが伺える。おせんべいがバリバリ、クッキーがサクサクなら求肥はモッチリと決めかかっていたことを反省する。「九十九餅」の求肥は、コシがあるのにモッチリではなくふんわりなのだ。一瞬フワッとお口の中で膨らんだかと思うと、すーっと舌の上で滑らかに溶けていく不思議な食感。

志むら彩り、味、食感、どれを取っても申し分のない完成度の高い「あんみつ」。ほろりほろりと口の中で崩れる寒天は食べていて楽しい。注目していただきたいのはトッピングした「抹茶アイス」。ここにもさらにこだわりが。乳製品を使用していないため、ねっとり感がなく、さっぱりしていて黒蜜をかけると抹茶のほろ苦さとの相性の良さが際立つ。

(写真左)「あんみつ」(¥600)に白玉(¥100)と抹茶アイス(¥150)をトッピングしたスペシャルセット。ほどけるような寒天はヴォリュームがあるが軽く、サラリと食べられる。¥850 (税込) (写真右)煎茶(もしくは抹茶)がセットになった「九十九餅」。小腹が空いたときにちょっとそこまで、の気分でいただきたい。¥610 (税込)

猛暑だ!夏バテだ!そんな時でもさらりと食べられる涼しいスイーツを食べにぜひ足を運んで欲しい名店だ。

text / yasue ishiga 、photo / yosuke omura
shop information


志むら志むら

住所:東京都豊島区目白 3-13-3
Tel:03-3953-3388
営業時間: 9:00 〜 19:00
定休日: 日曜

(かき氷は毎年 5月頃から9月彼岸頃まで/その年の気候による)
お店は 1Fが甘味売り場、2・3Fが飲食スペースになっている。かき氷はお持ち帰り不可。それ以外はお持ち帰り可能。ランチタイムは、幕の内弁当などの甘味以外も楽しめる。