FOOD_sweet20041220
「手毬」というその名にふさわしい、手のひらに乗せたくなるようなまあるいフォルム。いつまでも眺めていたくなるようなそれは、今年8月銀座三越にオープンした「Wa・Bi・Sa」のお菓子。

(写真上)「手毬」 ¥473(税込)

店の名前は、茶道の精神である「侘び・寂び」から来ていると同時に、「和(わ)」「美(び)」「然(さ)」という3 つの意味がこめられている。「和」は「侘び・寂び」の精神、「美」は着物の文様などに見られる日本古来のデザイン、「然」は自然や日本特有の四季を表している。

Wa・Bi・Sa 使われている素材は、豆・野菜・穀類など、スイーツにはなじみの薄いものであるが、それは決して奇をてらったものではなく、ごく自然に味わうことができる。銀座という場所柄、流行に敏感な女性が多いが、彼女たちの支持を集めているのは、そうした斬新さの中にも、心と体に優しい「スローフード」であるという安心があるからではないだろうか。

(写真左)「豆とオレンジのタルト」 ¥473(税込) 黒豆・虎豆・うぐいす豆・白小豆の4種類の豆をふんだんに盛り付けた一品。オレンジクリームの酸味が甘さを引き立てる。 (写真右)「湯葉と抹茶のタルト」 ¥473円(税込) ホワイトチョコと抹茶のクリームの上に、湯葉とアロエ、豆腐のジュレを乗せた一品。

黒くつやつやとした「手毬」を賞味しようとフォークが触れたとたん、不思議な感覚が伝わった。想像していたのは、薄くて硬いチョコレートの膜を割る、という感覚。ところが、フォークはふんわりとやわらかい弾力で押し返された。その感触に驚きつつ口に入れてみると、しっかりとかぼちゃの甘味。見た目も食感もその味も、じっくりと時間をかけて味わいたい、そんなスイーツである。

photo / yosuke omura

shop information


FOOD_sweer_wabisa Wa・Bi・Sa

住所:東京都中央区銀座4-6-16 銀座三越地下1階
Tel:03-3562-1111(代)
営業時間:10: 00〜20:00(日曜日は~19:30)