和ぺリティーヴォな海
「サーファーですか?」素顔の僕はホワイトマンとは言えない地黒の顔に金髪のせいか、よくこう聞かれる。サーファーと言われることに悪い気はしないのだが、残念ながら僕はサーフィンをやらない。しかし、海を見ているのは大好きである。

海を見続ける選手権があったら、町内会のベスト4くらいは狙っていけるのではないかと思う程、旅先で何時間も海を見ていることがある。

和ぺリティーヴォな海

ホワイトマンのメンバーの中に日本で初めてサーフィンを職業にしたと言われているレジェンドのプロサーファーがいる。彼とはサーファーがよく集まる千葉県鴨川市の海で出会った。鴨川在住の彼は毎日、地元の鴨川の海を観察し、少しでもいい波があるとサーフィンに出掛けるという波中心の生活を送っている。旅の途中、鴨川に3日程、立ち寄った僕は、毎朝、サーフィンをする彼らを見ながら、ボーッと缶コーヒーか缶ビールを飲んでいた。彼は僕が何もしないでボーッと海を見ているのが気になっていたらしい。

(写真左):パームコーブ/ 明け方の海は、何かを期待させてくれる。

「サーフィンやらないの?」 彼が声をかけてきた。 「やらないです。ただ、海を見ているのが好きなんです」 僕らが最初に交わした言葉だった。 それ以来、鴨川に行く度に彼が経営するサーフショップに遊びに行ったり、飲みに行ったりしながら、様々な海の話をするようになった。厳密に言えば、彼は波の話をする。彼にとって海とは波との一期一会を楽しませてくれる神聖な場所なのである。僕は彼程、海への神聖な思い入れは持てないが、旅の途中で出会う海の一期一会というものを大切にするようになった。

波をボーッと見ているだけでも癒され、様々な考え事が浮かんでは、さざ波と一緒に流されていく感覚もいい。海の向こうに見える朝陽や夕陽を見ていると、何故か感謝の気持ちが湧いて来るし、夜、海辺のホテルのベランダで波音を楽しんでいると、土地の酒を味わいたくなる。 同じ海でもその日によって表情を変えるので、旅先に海があれば、僕は出来る限り毎日、海を感じるようにするのである。

さてさて今年の夏も海の一期一会を楽しむとしますか。

イシコ

イシコ

1968年生まれ。ホワイトマン代表
大学卒業後、女性ファッション誌編集長、Webマガジン編集長を経て、期間限定のホワイトマンプロジェクトでは白塗りで様々なコンテンツを生み出す。現在は「セカイサンポ」と称し、文字通り世界を散歩中。散歩の達人の連載コラムなどコラムニストやブロガーとしても活躍している。

イシコのセカイサンポ
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