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スタイリッシュな家具や照明、幻想的なオーロラや白夜…。北欧と言われてイメージするキーワードがこのくらいしか思い付かないというあなたに、ぜひ覚えていただきたいのが『AQUAVIT(アクアヴィット)』。北欧の蒸留酒の名を冠するこのレストランは、スウェーデン出身の天才シェフ、マーカス・サミュエルソンによる“モダン・スカンジナビアン・キュイジーヌ”でニューヨーカーを20年以上にわたって魅了。 世界2号店のストックホルム店に続き、2008年10月、北青山・外苑前に待望の東京店をオープンした、いま世界中から注目を集めるレストランなのだ。

(写真上)さっぱりとした川マスに、青リンゴを使用したブロス(スープ)をかけてしっとりとした食感でいただくメインの一皿。体にも舌にも優しい味わい。『ホットスモーク トラウト 川マスの温製スモーク うるいのピュレと白シメジ リンゴとホースラディッシュのブロス』

アクアヴィットレストランに入ってすぐ左側はバーラウンジになっており、デンマークの建築家・アルネ・ヤコブセンがデザインした美しいエッグチェアやスワンチェアの座り心地はバツグンで「こんな椅子が自分の部屋にあったらなあ」と思わずにはいられない。メインダイニングは高い天井が開放感たっぷりで、北欧でよく見かけるスカイライト(天窓)のような大きな円形照明が印象的。昼は窓際席からやわらかな光が差し込み、夜はテーブルのキャンドルが灯され幻想的な雰囲気に。光をもデザインすりセンスのよさは北欧をテーマにしたレストランならではの演出。インテリアに興味のある人なら何度でも通いたくなる食空間が広がる。

アクアヴィット“モダン・スカンジナビアン・キュイジーヌ”とは北欧の伝統料理をフレンチの調理技法で楽しむスタイルのこと。ニシンやサーモン、ロブスターなど魚介を多用したメニューや、素材感を大切にする調理法、お酢など酸味のある味付けなどは、どこか和食にも通ずるなつかしさがある。一方、白いお皿をキャンパスに見立て、絵画を描いたかのような料理の一品一品は、一口食べるごとに「こんなスタイル、どこのレストランでも味わったことがない」という未知の驚きに満ちている。

「よく『この料理のどこが北欧なの? スウェーデン風なの?』と聞かれますが、北欧料理というと、一般にはミートボールなど伝統で素朴な料理が知られております。そこに、フレンチの調理法を融合させ、見た目の華やかさなどのデザイン性をもたせるスタイルが、いまの北欧、特にスウェーデンで注目されています。」とは東京店の津留見和彦シェフの言葉。

(写真右)デザートは、薄いクレープのようなパンケーキは家庭のお母さんが作るスウェーデンのおやつ。ポップなデザイン画のような可愛い一皿。『スウエディッシュ パンケーキ』

ニューヨークの本店で修行する前に、デンマークやスウェーデンのレストランを何軒も視察したという。ニューヨーク本店のメニューを基本としながら、北欧のいまの食文化を取り入れ、津留見シェフならではのアレンジを加えて表現したスタイルが東京店の料理の特徴でもある。

アクアビット例えば、スウェーデンマスタードは東京では入手困難なため、市販のマスタードに砂糖・醤油・コーヒーをブレンドし東京店のオリジナル・ソースを作ったり。ニューヨーク、ストックホルム、東京と、それぞれの店でしか食べられない味に出会えるため、ニューヨーク駐在経験のあるビジネスマンや、在日スウェーデン大使館員などにファンが多いとか。

付き合いの長い大人のカップルのデートにお似合いだし、女同士、場合によっては女ひとりランチも行けそうな雰囲気なのがいい。気になる男性をさりげなく食事に誘うのもありかもしれない。気分は『セックス・アンド・ザ・シティ』のキャリーさながら、カッコいい女を気取って出かけたくなる女心を魅了するレストラン。東京にいながらにして知らないとしたら、人生ちょっと損しているかも。

text/yuko kotani, photo/chikahito nagai

shop information


アクアヴィットアクアヴィット

東京都港区北青山2-5-8 青山OM-SQUARE1F
Tel:03-5413-3300
営業時間:
11:30〜15:30(14:00 LO)
18:00〜23:30(22:00 LO)
定休日:無休