レンソイス
南米ブラジルが有する驚異の自然といえば、アマゾンの密林地帯やパンタナールの大湿原地などが世界的にも有名だが、これに勝るとも劣らない場所がまだあることをご存知だろうか? それは世界遺産の町、サン・ルイスから約260km離れた海岸近くに広がる白い大砂丘「レンソイス・マラニャンセス国立公園」。

衛星写真にもしっかりと写し出されるこの砂丘、実は半年ごとにその装いをガラリと変えるのだとか……。

レンソイス

15万ha以上もの面積を誇るレンソイスは、水晶の成分である石英と赤道付近の大西洋から吹き付ける強い東風によって、数万年の長い年月を費やし育まれた。人の介入を拒む過酷な自然環境におかれた土地だが、生命の存在が希薄な分、美しく神秘的な光景が今もなお保たれている。自然の力がもたらす美景は、先にも挙げた通り半年ごとに繰り返される乾季・雨季で全く異なる表情を見せてくれる。乾季は、まるでシーツを広げたかのように真っ白な砂で覆われた世界がどこまでも続き、雨季は砂丘の窪地にエメラルド色のラグーンが無数に出現するのだ。ラグーンは幅2km深さ5mに達するものもあり、驚くことに蛙や小魚の姿を見かけることもあるという。

レンソイス

ちなみに今は雨季の真っ只中。砂丘とラグーンが織り成す不思議な光景が徐々に繰り広げられる頃だろう。もちろん、地上からの眺めも素晴らしいが、この“美しい奇観”は是非とも上空から堪能することも忘れずに。日本からレンソイスまで空路 & 陸路を合わせてまる2日を要する遠い道のりだが、間違いなくその労力に値する感動をもらえるはずだ。

text / chinatsu umezawa, photo / kyoji kanekiyo (c)メルコスール観光局

■レンソイス・マラニャンセス国立公園 Parque Nacional dos Lencois Maranhenses 場所:ブラジル北東部・マラニョン州

【アクセス】「レンソイス・マラニャンセス国立公園」の観光拠点となる町はバレリーニャス。サンパウロからサン・ルイスまで空路で6時間、サン・ルイスからバレリーニャスまで陸路で3〜5時間。バレリーニャスよりセスナ機での空中遊覧や4WDによる砂丘ツアーなどさまざまなツアーが催行されている。