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モダンでありながら、どこかヴィンテージ感のある模様。カラフルなのに、どこか大人の落ち着きが感じられる色使い。イーリー キシモトのファッションは、その個性的なプリントにも定評がある。マーク・イーリーと公私にわたるパートナーであるワカコ・キシモトが発信するこのブランドは、1992年、テキスタイルデザイン会社として産声をあげた。 ルイ・ヴィトン、ジル・サンダー、マーク・ジェイコブスといった、一流のデザイナーたちにテキスタイルを提供。高いオリジナリティと信頼ある技術をもとに、世界で大活躍するファッション・デザイナーたちさえ虜にしてきた彼らが、業界で築きあげてきた確実な評価をもとに、独自のコレクションをスタートさせたのは1995年のこと。以来11年の長きにわたり、変化の激しいファッションの世界で、独自のスタイルを貫き続けてきた。

コンピューター・グラフィックがデザインの主流になりつつある今も貫き続けるハンドプリント(手描き)、流行を闇雲に追わないデザイン、プリントとデザインを最大限に活かす素材のこだわりなど、職人気質とアート感覚を見事に兼ね備えた世界観は、スタート当時と何ら変わらないまま、今も守り抜かれているのである。

イーリー キシモト 2005/2006 秋冬コレクション“DARK WOOD WONDER” コレクションにテーマは設けないが、毎回、一人の女性を思い浮かべながら物語を作り上げ、それに沿ったショーが展開されるという。 2005/2006秋冬コレクションは、“DARK WOOD WONDER”と題され、おとぎ話の中に登場する森に迷い込んだ女性をイメージしたという。そんな姿勢は、デザイナーたちのファッションに対する想いを反映したものだ。

業界では、シーズンを過ぎたコレクションは“流行遅れ”とされるのが常だが、イーリー キシモトは、長い間愛用されることを願い、世代を経ても色あせない定番となることを喜びとする。だからこそ、過去に販売されたコレクションはロンドンのアーカイブ・ショップで販売され続け、新コレクションと旧コレクションとの組み合わせをブランドから提唱しているのだ。

独自の哲学を持ち、しっかりと歩み続けるイーリー キシモト。ファッションに主張があるのだとしたら、イーリー キシモトを身に纏うことは、デザイナーたちへの共感や、流行に翻弄されない確固たるファッション哲学の表明を意味することにもなるのかもしれない。あなたも、“永遠の一枚”を見つけて、自分の哲学を纏ってみてはいかがだろうか。イーリー キシモト
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photo / kumi saito  text / jun makiguchi