和ペリティーボな手紙と扇子
イシコは年賀状を書かない。正月早々、義務感の中で書くのが嫌いなのである。かと言って葉書を書くことが嫌いかというとそうではない。珍しい葉書に訳の判らないことを書いて相手の反応を想像したり、旅先で思いついた言葉を書いて送ったり、その時の気持ちを自分宛に送ったりと葉書で遊ぶこと自体は大好きなのである。

先日、扇子を手紙代わりに使う「小手紙扇子」という商品を見せていただいた。扇子に手紙を書くという文化は昔からあり、特に恋文いわゆるラブレターなどは扇子に書いて、他人に読まれないように畳んで人に託していたそうである。「好きです」と携帯メールで送り、出会い系サイトと間違えられ削除されてしまう可能性がある現代の手紙文化を考えると扇子を選んで手紙を書き、折り畳むまでの時間を過ごすだけでも和ペリティーヴォな気持ちになれそうである。

和ペリティーボな手紙と扇子扇子といえばスペインには扇子言葉というものがあるそうだ。残念ながら、どんな言葉があるのか詳しいことまでは判らない。もし、読者の中で少し遅い夏休みを取り、スペインに行かれる方は扇子を持って街でいろいろな仕草を試していただけないだろうか。そして、verita編集部に報告してもらいたい。ただし扇子を使っているうちに「誰か私の相手をして」といった扇子言葉になっていてスペインの男達に囲まれてしまってもイシコは責任を取れませんが。

この原稿を書いていたら手紙を書きたくなってきた。今、滞在しているホテルの窓から見える気持ちのいい風景を眺め、ビールを飲みながら書くなんて最高である。リュックから葉書を取り出し、パソコンの横で書き始める。せっかくホテルでボーッとしているのだから、その様子が判る文面にしようかと思う。いや待て待て。読む人は、ポストから取り出して暑い中で読むのだからそれに合わせて書いた方がいいのではないか。

和ペリティーボな手紙と扇子 「残暑お見舞い申し上げます。ホワイトマンは、これから野外イベントです。僕は顔がブラックマンになってしまいそうですが、今日のイシコはいかがお過ごしでしょうか?」 またまた自分宛に送ってしまった。

■SHOP INFOMATION 株式会社伊場仙(いばせん)
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江戸扇子の老舗「伊場仙」は創業400年。現存する唯一の浮世絵の版元でもある。
イシコ

イシコ

1968年生まれ。ホワイトマン代表
大学卒業後、女性ファッション誌編集長、Webマガジン編集長を経て、期間限定のホワイトマンプロジェクトでは白塗りで様々なコンテンツを生み出す。現在は「セカイサンポ」と称し、文字通り世界を散歩中。散歩の達人の連載コラムなどコラムニストやブロガーとしても活躍している。

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