LIFESTYLE_column20041208
1週間にどれくらいの時間を散歩に費やしているだろうか。「散歩なんて悠長なことを言っていられないのよ」と怒られそうだが、普段、人は歩いている。そう考えると食事だってする。雑誌をめくる時間もあるし、電話でおしゃべりする時間だって必ず持っているはずである。

同じ行動を少しだけシチュエーションを変えてあげることぐらいは、できるかもしれない。そんな「和ペリティーヴォ」な散歩を今回は味わっていただきたい。今回はゲストして「散歩の達人」副編集長山口氏にナビゲートしてもらう。

待ち合わせは、少し騒々しい原宿駅であった。昼食代わりに「八竹」で押し鮨を購入し、それを持って明治神宮の奥へ進み、入場料を払い明治神宮御苑へ行く。「都心?」と疑いたくなるような景色と静けさに包まれた空間である。紅葉が始まりつつある木々や池を眺め、寿司をつまみながら、とりとめもない話をして「和ペリティーヴォ」な時間を楽しむ。

山口氏は、ふと携帯を取り出し、「明治神宮前でピックアップお願いします」とベロタクシー(自転車タクシー)を呼んだ。ベロタクシー自体に乗ること自体、イシコは初めてだったが、それ以上に電話で呼ぶことができるとは思ってもみなかった。テイクアウト用のコーヒーを買って乗る。普段と少し違う目線で、表参道を感じながらティータイムを堪能する。ちなみにクリスマス時期までは、原宿や表参道近辺のスターバックス店舗間ではベロタクシーの運賃無料だそうだ。

「和ペリティーボ」的お散歩

(写真左)「散歩の達人」副編集長 山口氏 (写真中)明治神宮御苑 (写真右)ベロタクシー(自転車タクシー)

こうして、僕らが最後に辿り着いたのは、ペンブティック「書斎館」である。 「書斎館」の事は書きたくてたまらないのだが、別の機会に紹介するので、今回は我慢する。ここの万年筆や歴史を感じさせる文房具を見ていると美術館で味わう何とも言えない贅沢な気分を味わえる。ここをゆっくり見たい時は、夕方、早めに仕事を切り上げ、表参道を散歩してから、最後に書斎館の明かりに辿り着くようにしている。

時間の流れが早い世の中である。たまには、こんな「和ペリティーヴォ」な散歩を楽しみたいものである。

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LIFESTYLE_column20041110 イシコ

1968年生まれ。ホワイトマン代表
大学卒業後、女性ファッション誌編集長、Webマガジン編集長を経て、期間限定のホワイトマンプロジェクトでは白塗りで様々なコンテンツを生み出す。現在は「セカイサンポ」と称し、文字通り世界を散歩中。散歩の達人の連載コラムなどコラムニストやブロガーとしても活躍している。

イシコのセカイサンポ
著書/『世界一周ひとりメシ』(幻冬舎文庫)