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都会にいればリゾートライフに想いを馳せ、リゾートにいれば徐々に街の刺激が恋しくなる…。どちらかひとつ、なんてありえない。そんな欲張りな都会人に嬉しいお店が、西麻布にある。一歩足を踏み入れれば、それまでの喧騒が嘘のように開放的で落ち着いた気分になれる場所だ。店の名は「73」と書いて、SEVEN/THREE。

(写真上)自家製香味酒。左から:自家製くるみのカクテル(\\1,200)、いちごのカクテ ル(\\1,300)、オリジナルブラッディーマリー(\\1,200)

73静かに佇む看板の下にはサーフボードが。実は、オーナーの釜谷道夫さんはサーファー。愛する波への想いを“73”(ナミ)という文字にあて、店名としたという。 もともと西麻布で10年ほどバーテンをしていたが、「波乗りに行くと、それだけで気分が落ち着いてすっきりする。都会の忙しい生活の中にも、そんな気持ちになれる場所を」と馴染んだ西麻布に、店をオープン。やって来るのは、10年来の知人、サーフボードに誘われて一人でふらりと飛び込んでくるサーファーを含め、実にさまざま。「カジュアルで軽さがあるけれど、大人も、そしてサーファーでない人も楽しめる店」がこの店のコンセプト。

エントランスのある4階にはサーフィンのDVDが流されているせいもあり、知らない者同士がサーフィンの話で意気投合することも少なくないという。「人と人が出会うこの東京で、人と人を繋げることのできる店でありたい」との釜谷さんの想いが、まさに現実のものとなっている。

73海の家のようなカジュアルな4階を後にして階段を登ると、テラスのある海辺のコテージを思わせる5階へ。ここでは、波の音をBGMにサロンのような落ち着いた静けさの中、ソムリエおすすめのワイン(グラス\\1,000〜)などを味わえる。だが、ワインだけではもったいない。「73」には、ぜひ味わってほしいオリジナルドリンクがあるのだ。その筆頭が、市場から直接買い付けてくる国産フルーツを使った自家製香味酒(\\900〜)。生姜とセロリを蒸留させて作ったプレミアムウォッカに、フルーツトマトのジュース、北海道の小玉トマトやいろいろなスパイスを入れたオリジナルブラッディーマリー(\\1,200)は、これを目当てにやってくる常連も多い定番ドリンク。潰したいちごに桃リキュール、オレンジジュースをいれたカクテル(\\1,300)は、甘すっぱい口当たりが爽やかで女性に人気。自家製くるみのペーストにベイリーズリキュールとエスプレッソを入れたカクテルはまるでデザートのようなとろりとした味わい。いずれも、素材の鮮度やシーズンにこだわったフレッシュな味わいで、ここでしか出会えないものばかりだ。

珍しいお酒といえば、ロマノレヴィ(\\2,350)もぜひ味わいたい逸品。イタリアのバルバレスコで職人ロマーノ・レーヴィ氏が、お酒はもちろんラベルまで、すべて手作りにこだわったグラッパで、一般にはめったに流通しないという貴重品。レーヴィ氏が高齢で生産を止めてしまったため、今後はますます入手困難になるというから、ぜひ早めに味わっておきたい。このように、店の片隅には、オーナーがコレクションしている珍しいお酒も並んでいるので、ちょっと贅沢な気分に浸りたいときにおすすめだ。

73これだけでも大満足だが、実は「73」は料理も評判。バーには珍しく、ラーメン、カレーなど海の家の定番がワンランク上の味で登場。欧風のこっくりとした味わいの熟成ラム肉カレー(\\1,200)や、甘みの強い温野菜のバーニャカウダー(\\1,000)、試作に試作を重ねて完成した潮〜Shioラーメン(\\1,500)など、その充実ぶりには誰もが大満足。食後に訪れるなら、お酒を練りこんだ自家製生チョコ(ウィスキー、リキュール、ラム)を楽しむショコラテイスティング(\\300)をと、美味しいものが大好きなスタッフたちが毎日腕をふるっている。もちろんお酒同様、素材は無添加や有機にこだわっているのが「73」の自慢。「サーファーは、日常的に自然に接しているので、自然志向、健康志向の人が多い」のだそうだ。

街と海。どちらの生活も大いに満喫するすべを知るオーナーがいる「73」。この店に行けば、日常の中にほっとできる時間と空間が少しずつ増えていきそうだ。

text/june makiguchi, photo/kawakami shu remy

bar information


73バー & ラウンジ 73 

住所:東京都港区西麻布2-12-5 ミスティ西麻布 4F・5F
Tel: 03-3406-8673
営業時間:[4F] 20:00〜翌5:00 [5F] 20:00〜翌4:00
定休日:日曜日