とっておきのシチュエーションで飲みたいお酒をひとつ思い浮かべて欲しい。ワイン、シャンパン、そしてカクテル……。そこにぜひ、加えて欲しいのが日本酒だ。女性の間で人気が高まっているとはいえ、まだまだ未知の世界でもある SAKE WORLD。 その深い魅力を知ったらきっと、その虜になってしまうに違いない。

海外では、おしゃれに日本酒を飲める店が増えているが、日本にも女性が気軽に、そしてスタイリッシュに日本酒を楽しめるお店がある。グッチやディオールの路面店にほど近い銀座西五番街に位置する「福光屋銀座店」だ。ここは、寛永二年(1625年)から380年以上も続く、金沢の老舗酒蔵「福光屋」の直営店。良質な素材と伝統技法により誕生する最上級の日本酒はもちろん、米発酵から生まれるコスメや調味料、スイーツなどのオリジナルアイテム、酒器や酒肴など、“SAKE STYLE”をキーワードにした、お酒にまつわるさまざまなグッズがずらりと並ぶ。ここでは、より豊かでより楽しい、日本酒のあるライフスタイルを提案しているのだ。 そして、この店の一角にはBARコーナーがある。メニューには、よほどの日本酒好きでない限り、これまで見聞きしたことがないというようなものも。

こだわりのラインナップからは、“良いものを、一番美味しい飲み方で飲んで欲しい”という作り手の想いがダイレクトに伝わってくる。人気は、酒蔵直営の店だからこそ味わえる、長期熟成純米酒「百々登勢」。まるで、ブランデーのような深いあめ色をしたとっておきの逸品だ。これに、日本酒の入った生チョコを添えていただくと、双方のコクと甘みが口の中で溶け合って極上のハーモニーを醸し出す（セットで\\1,500）。また、日本酒の最高峰である山廃仕込純米大吟醸の「初心」は、日本酒の本当の素晴らしさを知るのにもってこい。これまで日本酒に馴染みのなかった人にこそ味わってほしい日本酒の中の日本酒だ。

（写真左）こづちロール　素材の味が生かされた、ふんわりととろけるロールケーキ。香り高く味わい深い福光屋の純米吟醸酒粕を使用している。

また、オリジナルのドリンクも提案している。特に女性におすすめなのは、極上のみりんを使った絶品カクテル。こっくりとしたとろみと甘みが驚くほど美味な「福みりん」を、ミルクや生クリームで割っていただく（各\\500）。その芳醇な香りと香ばしい甘み、とろけるような舌触りは衝撃的だ。こんな独創的なアイディアも、日本酒を知り尽くしたプロならではだ。他にも、スパークリングサケ、古代米を使った淡い赤色の純米酒「ニッポニアニッポン」、プレミアムな燗酒「燦々」、期間限定のフレッシュな新酒など、福光屋でしか味わえないものが揃う。どれをいただこうか迷うなら、数ある銘柄の中から好きなものを3種選べる「お好みテイスティングセット」（酒肴付\\1,500）でお気に入りを探すのもいいだろう。

既存のイメージを覆す日本酒たちに出会ったら、きっととっておきのときに飲みたくなるに違いない。そして、もちろん毎日の暮らしの中でも。「福光屋銀座店」ならば、“ギフトのための味見”を言い訳に、昼間から美味しい日本酒をスタイリッシュにいただくことも、買い物の途中に立ち寄るということもできるのだから。

(写真右)みりんカクテル　「三年熟成 福みりん」をベースにしたカクテル。驚くほどまろやかで香り高い絶品カクテル。

text/june makiguchi, photo/chikahito nagano