ツマンデノンデ
東京の中の、心地良いイタリア。思わずそう呼びたくなる「Sin」。地下にありながら、吹き抜けとなったテラス席には陽光が燦々と差し込み、ウッディな内装と暖色系の家具が温か味のある快適な居心地を演出してくれる。

「Sin」は、日本在住のイタリア人たちが、味でも雰囲気でも「今のイタリアを体感できる場所を」と、この夏、青山にオープンさせた気軽に立ち寄れるコンテンポラリー・イタリアンの店。オーナーは、シェフやインテリア、ファッション関係者という仲間たち。

(写真上):温か味のあるインテリアに、思わず長居してしまいそうな店内。「Sin」自慢のワインセラーにはイタリア全土から400種類以上が集まっている。この品揃えは本国でも稀だという。

ツマンデノンデ

メニューやワイン、内装など、それぞれが得意分野で才能を発揮しながら作り上げた。 「何であっても、いつであっても」がコンセプト。この店の共同オーナーでもあり、シェフでもあるピエトロ・アンドロゾーニ、ビットリオ・コッキ両氏による料理をあらゆるスタイルで味わえる。

(写真左):スタッフは、イタリア、ブラジル、日本から。陽気なラテンのムードもお店の魅力。 (写真右):トレビアーノ・ダブルッゾ(グラス\\900)と、この日このワインにと提供されたお料理1皿。右から、魚介の乗ったクロスティーノ、サラミパイ、オムレツ。  ランチ、ティータイム、メレンダ(イタリア流おやつ)、ツマンデノンデ、ディナー、ワインバーと、様々な形式で“美味しいもの”をいただけるのだが、何時訪れても、メニューの全てが楽しめるのが「Sin」のユニークなところ。ライフスタイルが多様化している今だからこそ、お店の都合に合わせるのではなく、自分の予定に合わせて時間を気にせず軽食をとったり、ティータイムを過したり、ワインを飲んだりできる場所は貴重だ。

そんな自由なシステムの中でも注目したいのが、“ツマンデノンデ”。今、イタリアで定着しているアペリティーヴォ・スタイルでお酒とお料理が楽しめるのだ。 「アペリティーヴォは、本国で5年ほど前から人気になり始めました。仕事が終わってから8時半頃までの間、友人たちとおしゃべりをしながらグラスワインとおつまみを食べる、仕事の後の時間をゆっくり楽しもうというシステムです」とピエトロさん。「ここでは、ワインやシャンパン1杯につき、必ずそれに合ったおつまみが1皿ついています(料金込み)。ワインもお料理も最大限に楽しんで欲しいので、最も美味しく味わっていただける組み合わせで提供しているのです」

美味へのこだわりは、ワインのリストからも感じられる。イタリア全土から400種類以上が集められ、1,700ボトルほどが店にストックされており、グラスで楽しめるものだけでも25種類ほど。それが毎週変わるというから、本国でも滅多にお目にかかれないほどの品揃えだ。 ピエトロさんは、14年前に日本にやってきて以来、老舗レストラン、エノテカ・ピンキオーリとリヴァ・デリ・エトゥルスキで腕を振るってきたパティシエ。 夜が更けているからと、本格的なデザートを食べたいという欲求をぐっとこらえた経験のある女性なら、11時30分のラストオーダーまで天才パティシエの技をしっかり堪能できると聞けば思わず笑顔になるはずだ。

彼のオリジナルレシピによる魅惑のデザートも人気だが、この店ならではの楽しみ方もぜひ試して欲しいとピエトロさん。

ツマンデノンデ

「日本でなかなか人気が定着しないデザートワインやロゼもぜひ味わって欲しいですね。コーヒーと紅茶だけがデザートに合う飲み物なわけではありませんよ」。 実は、デザートを含む、フードメニューの全てに、お勧めワインの銘柄が書き添えられているのも、美味しさに妥協を許さないイタリア人オーナーたちの心意気が感じられて嬉しい限り。旅に出ずして、本場の味を堪能できる「Sin」。新鮮かつ絶妙のマリアージュによって、美味しさの可能性が舌の上で広がっていくのをぜひ感じて欲しい。

(text/june makiguchi, photo/pawel jaszczuk)

ツマンデノンデ

Sin 

東京都港区南青山5-7-2 B1
Tel:03-6419-3838
営業時間:11:30〜25:00
8月、9月は、日曜定休日。

青山の喧騒を離れたビルの地下。幻想的に浮かび上がる「Sin」のエントランス。ライトの色は日によって変わり、来るたびごとに新鮮な印象を与えてくれる。
エントランスの横には、空が仰げる吹き抜けのテラスが。店内は禁煙だが、こちらでのみ喫煙可。