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最近は、ファッションやインテリアを選ぶように、キッチンツールにこだわりを持つ人が増えている。ショップには、カラフルでキュートなものが数多く並んでいるが、「やはり本物を」と考えるなら、フランスの老舗メーカー、ル・クルーゼの鍋をぜひ一度手にとって欲しい。 ずっしりとした快い重みと鮮やかな色使いで知られる鋳物ホーローの鍋は、デザイン性のみならず高い機能性も自慢の優れものだ。

1925年、今から80年も前に、北フランスのベルギー国境にほど近いフレノワ・ル・グランという村で誕生したル・クルーゼ。鋳物ホーローとは、2つの砂型に溶けた鉄を流し込み、冷やし固めたその後でガラス加工を施したもの。炒め物、煮物、オーブン料理、揚げ物、コールドミールなど、全ての調理法に使用可能。重いふたでしっかりと密閉するので素材の旨みや水分を逃さず煮崩れが少なく、弱火でも調理ができ保温性にすぐれているので経済的。熱の伝わり方も均一で、食材がじっくりやわらかに煮える。果物やワインの酸にも強く、直火、IH、オーブンでも調理OK。その上、汚れが落としやすく手入れが簡単。そしてその高い耐久性ゆえ、母から娘へと受け継がれることも多いとか。マリリン・モンローや英国ウィリアム王子など、セレブリティに信頼されてきたことも頷ける。

パリから車で2時間ほどのところにあるフランス北部エーヌ県のフレノワ・ル・グラン。ベルギーとの国境にほど近いこの村で、ル・クルーゼは誕生した。以来、全人口の約6分の1にあたる人々がル・クルーゼで働いているこの村で、伝統と確かな技は途絶えることなくしっかりと代々受け継がれてきた。

キュートなハートの形をしていても、機能も抜群のラムカン・ダムール。小さいので、ひとり暮らしの女性にも人気。調理用ツールとして、テーブルウエアとして、お砂糖やキャンディを入れるキャニスターとして、またアクセサリーなどの小物入れとしても大活躍。1250℃で焼き上げたストーンウェアだから、電子レンジでも安心。 オレンジが鮮やかなココット・ロンド。料理が大好きという人も、料理が苦手と言う人も、.友達を呼んで手料理を振舞いたくなるキッチンツール。日本で人気ナンバーワン・カラーは、台所をぱっと明るくしてくれる鮮やかなオレンジ。あまりに可愛いので、そのままテーブルにのせてもおしゃれ。

独自の配合により生まれる、他に類を見ない豊富なカラー・ヴァリエーションも魅力。無骨でそっけない鋳物のイメージを覆す商品群の中には、“インダストリアル・デザインの父”レイモンド・ローウィ作「コケル」や、イタリアの有名デザイナー、エンゾ・マリ作「ママ」などの傑作も。本社設立80周年を迎えた昨年は、記念として「コケル」が限定復刻されている。そんなスタイリッシュで遊び心いっぱいのエスプリは、季節限定カラーや新色にも反映されている。今年からは、“キッチンにもファッションを”というコンセプトでコレクションもスタート。第1弾となる06/07秋冬ではシックなダークブラウンを発表した。

そんなル・クルーゼがアメリカ、イギリスに続き、日本進出を果たしたのは1991年。煮物、煮込み料理が多い和食に適していること、日本の食文化に合った鍋も積極的に発表していることもあり、料理研究家やシェフにも支持者が多く、専用レシピ本やアイディアいっぱいの活用法を紹介するメディアも後を絶たない。

ル・クルーゼとは、フランス語で「るつぼ」の意味。高温でどろどろに溶けた鋳鉄を型に流し込む製法を表現しているという。どうやらこの鍋には、アートとグルメの国フランスのエスプリもしっかり溶け込んでいるようだ。文化色豊かなお国柄を象徴するかのような、小粋なル・クルーゼ。使い込むほどに味と愛着が増すこの鍋で、あなたもぜひ、楽しくお洒落なクッキングライフを! 

photo / pawel jaszczuk text / june makiguchi

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