スキン+ボーンズ
今年1月、“躍動の街” 六本木に開館された国立新美術館。国内最大規模の展示スペースを持つアートセンターとしての期待が高まる中、美術作品のみにとどまらない新しい領域;建築・ファッション分野へのチャレンジとして、「スキン+ボーンズ―1980年代以降の建築とファッション」展が8月13日まで開催されている。

スキン+ボーンズ

本展には、現在世界中で活躍する建築家が手掛けたプロジェクトの模型や写真、そしてファッションデザイナーの制作した服やプロダクトなどが計230点余り集結した。普段なかなかお目にかかることのできないそれらの作品が独自の編集方法で展示されている模様は、さながら年代を超えた夢のショーのよう。

(写真左):フランク・ゲーリー 《ウォルト・ディズニー・コンサートホール》(米国、カリフォルニア)2003年 Untitled No.1, 2003, Frank Gehry Walt Disney Concert Hall, Los Angeles, California, 2003 Photo © Todd Eberle (写真左):ヴィクター&ロルフ 9枚目のドレス《ロシアン・ドール》オートクチュールコレクション  1999-2000年 Viktor & Rolf, Ninth Preparation Dress from Russian Doll haute couture collection, 1999-2000 Collection Groninger Museum, Photo: Peter Tahl

作家の例を挙げると、建築では、伊東豊雄、坂茂、フランク・ゲーリー、妹島和世+西沢立衛/SANAA、さらに吉岡徳仁のようなインテリア・プロダクトデザイナーまで。そしてファッションでは、フセイン・チャラヤン、アレキサンダー・マックイーン、ヴィクター&ロルフ、山本耀司、コム デギャルソン、三宅一生、ヴィヴィアン・ウエストウッド、マルタン・マルジェラ…etc.といった創造性の高いブランド及びデザイナーが揃う。(順不同)

スキン+ボーンズ

これらの作品を概念、形態、構成、技法などを切り口に検証することにより、1980年代以降の建築とファッションの特徴を掴むことができる仕組みになっている。

先ごろ行われた講演会「スキン+ストラクチャー」で、建築家・伊東豊雄氏は「 “有機的なものの流動性を生かし、包み込む” という点において、建築とファッションは共通している」と説いた。 常に変動する時流の中で次々と生まれゆく建築とファッション。それは共に人間を取り囲み、都市環境を構成していく。その優れた作品は私たちを牽引し、そして如実に表現しているとも言えるだろう。

スキン+ボーンズ

(写真上左):坂茂 《カーテンウォールの家》(東京)1995年 Shigeru Ban Architects, Curtain Wall House, 1995, Itabashi, Tokyo, Japan Photo: © Hiroyuki Hirai (写真上右): ヨーリー・テン ねじり巻き上げ、パフになった〈コットン・ホイスト・ドレス〉 2006年春夏コレクションより Cotton Hoist Dress with Cable-Wrap Pouffe from Collection, Spring/Summer 2006 By Yeohlee Teng, YEOHLEE

(写真左):伊東豊雄+アンドレア・ブランジ 《ゲント市文化フォーラム コンペティション応募案》 建築模型(ベルギー、ゲント)2004年 Toyo Ito & Associates, Architects + Andrea Branzi Architetto, Model of Forum for Music, Dance, and Visual Culture, Ghent, Belgium, 2004  Photo © Hisao Suzuki

スキン+ボーンズ

「スキン+ボーンズ―1980年代以降の建築とファッション」展

会期:2007年6月6日(水)〜8月13日(月) ※火曜日休館
時間:10:00〜18:00(金曜日は20:00まで)
会場:国立新美術館
主催:国立新美術館、ロサンゼルス現代美術館(MOCA)
料金:一般 ¥1,000、大学生 ¥500、高校生 ¥300
問い合わせ先:03-5777-8600(ハローダイヤル)
本展関連イベント情報は公式サイトから

(写真右):黒川紀章が手がけた国立新美術館の建築。波のような曲線を描くガラスカーテンウォールに庭園の緑が映し出される