森山大道
ファッションブランドの路面店がひしめき、世界的な建築家による建物が立ち並ぶ青山・表参道。世界中から注目を集めるそのエリアに、この秋、新たな文化発信基地が誕生した。デザイナー、北村信彦の「ギャラリーにねずみの穴があったら面白いかも」という発想によって生まれたアート展示スペース。

実際に、ねずみが佇む穴が存在する、その名もRAT HOLE GALLERY。ブティックが静かに佇む南青山エリア、HYSTERIC GLAMOUR青山店の地下1Fに位置している。

地下ながら、光がたっぷり差し込むギャラリーには、HYSTERIC GLAMOURが服作りとともに取り組んできた写真集やそれに関連する書籍、入手が難しいヴィンテージを扱うブックストアも併設されていて、RAT HOLEレーベルの限定グッズも販売される予定。パルコギャラリーで活躍した本尾久子氏をキュレーターとして迎え、荒木経惟展、ビリー・ネームとジェラルド・マランガの二人展など、6週間刻みで新しい企画を開催していくという。

森山大道

今回、10月13日のギャラリー・オープンを記念して開催されるのは、写真家・森山大道の作品展 “DAIDO MORIYAMA it”。東京や欧米など、様々な都市で撮影されたモノクロームのスナップを中心に、40点ほぼ全てが未発表作品という豪華さ。森山氏自身がこのギャラリーのために選んだという。タイトルである “it” が示唆するのは、「今そこにあるものの背後から揺らめきながらたのちぼり、妖しげになまめかしくコケットリーが醸し出す魅惑の磁場」とか。都市の緊張やざわめきとともに現代の鼓動を捉え、独特のユーモアと鮮やかな色香を映し出した作品群は、現実と空想の境界を飛び越えて、懐かしさを感じさせてくれる。ファンはもちろんのこと、初級者もぜひこの貴重な機会に、足を運んでみて欲しい。

11月19日までの作品展会期中は、ご本人を招いて北村信彦氏とのトークショーや、サイン会なども行われる予定なので、その人柄に直接触れるチャンスも。スケジュールは公式ホームページでチェックして。 ギャラリーへの入場は無料。ファッションとアートの幸せな融合をじっくり体感できるRAT HOLE GALLERY。時代に敏感な人々が集う、話題のカルチャースペースになりそうだ。

森山大道

(写真左) 白い壁面とぬくもりのあるフローリングが優しい雰囲気を醸し出すRAT HOLE GALLERY。地下ながら、光が燦々と差し込む明るいスペースだ。壁面には「ねずみ穴」。思わずしゃがみこんで覗きたくなる。すると穴の中には、かわいいラットが。

(写真右) RAT HOLE GALLERYのこけら落としとなる森山大道展を記念したTシャツも登場。 これぞ、ファッションとアートの幸せな融合。「DAIDO MORIYAMA×RAT HOLE GALLERY×Hysterics」ブランドのレディースは、EYESプリントとLIPSプリントの2種。いずれも、ダーティホワイト一色のみで、各 ¥10,290。彼にプレゼントしたい「DAIDO MORIYAMA×RAT HOLE GALLERY×Thee Hysteric XXX」ブランドのメンズも。

森山大道

DAIDO MORIYAMA it 森山大道写真展

会期:2006年10月13日(金)〜11月19日(日)
開館時間:12:00-20:00 月曜定休
会場:RAT HOLE GALLERY(ラットホール ギャラリー)
〒107-0062 港区南青山5-5-3
HYSTERIC GLAMOUR 青山店B1F
TEL:03-6419-3581

HYSTERIC GLAMOURが服作りとともに取り組んできた写真集や関連書籍、今では入手が難しいヴィンテージブックを扱うブックストアも併設されている。