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その名を聞いただけで、カラフルな色彩と甘い香りで心が満たされ、えもいわれぬ幸福感が押し寄せてくる――。今や日本でも、美食の代名詞となっているフランスの老舗菓子店“ラデュレ”。お菓子作りにとどまらず、ショップインテリア、ボーテラインに至るまで、ラデュレの隅々にまで貫かれたロマンティックな世界観は、多くの人々を魅了してやまない。

(写真上)日本橋店限定パティスリー「ル・ベゼ・ラデュレ」(¥1,090、テイクアウト¥980)

日本橋『ラデュレ・サロン・ド・テ』メゾンの始まりは1862年、フランス南西部で製粉業を営んでいたルイ=エルネスト・ラデュレがパリのロワイヤル通り16番地に開いたブランジェリー。1871年にはパティスリーとして生まれ変わる。パリのカフェ文化が華やかな頃になると、上流階級の人々やアーティストたちの社交の場となっていた。20世紀に入ると、ルイ=エルネストの妻ジャンヌ・スシャールによって、カフェとパティスリーを融合させた店をとの提案がなされる。

こうして1930年、ルイ=エルネストのいとこであるピエール・デフォンテーヌがパリ初のサロン・ド・テを誕生させた。実は、ピエールの功績はもうひとつある。ラデュレの名物マカロンだ。それまであったマカロンの間にガナッシュをはさむという今のスタイルを開発。オリジナルレシピは代々パティシエたちに受け継がれ、誕生当時そのままのデリケートな味を今に伝えている。

このサロン・ド・テに長く通っていたのが、オルデー・グループの創設者とその息子ダヴィッド・オルデー。1993年にこのメゾンを買収すると、その文化と伝統、歴史を継承しながらも、新たな伝説を刻むことを決意。フランスの食に対する美意識を、より洗練させた形で追及。1997年にシャンゼリゼ店をオープンし、老舗のプライドを基礎に今の華やかなブランドイメージを確立したのだ。

ラデュレ,日本橋そんなラデュレが、パリ、ロンドン、モナコ、ジュネーブ、ローザンヌに続き、東京・銀座に初のサロン・ド・テを登場させたのは1年前。そしてこの夏、日本橋という歴史と伝統溢れる街で、新たなる1ページを刻む。日本橋店は、ラデュレの歴史と伝統を尊重した、パリのサンジェルマン・デ・プレにあるボナパルト店のサロン・ド・テと同じエスプリを持つ。木製カウンター、トロンプルイユに彩られた天井、グリーンの壁というブティックを抜けると、“四季のサロン”を意味する「サロン・デ・キャトル・セゾン」が迎えてくれる。ルイ・フィリップ様式の装飾、家具に囲まれ、19世紀を思わせる空間となっている。

その奥は、ジェーン・バーキンもお気に入りだというボナパルト通り店2階に位置する「サロン・ブルー」へのオマージュともなっていて、その名も「サロン・ブルー・ド・プリュス」。19世紀のナポレオン3世形式で統一されている。本国と同じ雰囲気の中でいただけるのは、マカロンを始めとする定番と、まるでファッションさながらに、年に2回、春夏、秋冬と展開されるデザートコレクションの数々。

日本橋『ラデュレ・サロン・ド・テ』今なら特におすすめなのが、日本第2店目のオープンを記念して登場している日本橋店限定、期間限定のパティスリー「ル・ベゼ・ラデュレ」。キュートな紅いリップが印象的なこのお菓子は、アーモンドビスケットの上に、イチゴのコンフィを包んだひなげしの花風味のクリームが絶妙なハーモニーで重ねられ、ホワイトチョコレートでコーティングされている。デリケートで口どけが良く、風味が豊か。本国でも人気の逸品だ。 歴史の中の文人や紳士、淑女たちがおしゃべりを楽しんでいた談話サロンの精神を受け継ぐラデュレのお店。時間も時代も忘れてしまう豊かな空間の中で、麗しい本場の味を楽しんでみては。

text/june makiguchi

shop information


日本橋『ラデュレ・サロン・ド・テ』ラデュレ 日本橋店

東京都中央区日本橋室町1-4-1 日本橋三越本店・本館3F
Tel:03-3274-0355
営業時間:10:00〜19:00
(ラストオーダー:お食事〜18:00、喫茶〜18:30)