CAUSSE
フランスにも、伝統工芸を奨励する国が認定する人間国宝が存在する。CAUSSE(コース)家はその一族で、1892年に設立された手袋工房だ。現在は、4代目が伝統技術を継承する。年間、凡そ2万5千組の手袋を世界各国に向けて出荷している。

大手クチュールのメゾンへのノウハウ提供、そして、量販店においても、コースのブランドは展開されている。人々の手を寒さから守り、時には華やかに飾る。手先の美学を伝授するといっても過言ではない。 パリの店舗は、フランスを代表する建築家、ジャン・ミッシェル・ヴィルモットによりデザインされた、カスティグリオーネ通りに面する。ロンドン、ニューヨーク、モスクワ、東京の世界大都市においてもコレクションは知られている。

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10月31日まで、中央山地ミヨーの工房では、日本人で手袋デザイナーの先駆者でもある福島令子氏によるMani Mani展が開催されている。Maniは、イタリア語で「手」という意味。当時、幼かった娘さんが、「まにまに」と結ばれる百人一首の句がお気に入りだったことを重ねて、造語をブランド名Mani Maniにしたそうだ。 2008年より、コースは異分野の伝統工芸とのコラボレーションもして、新たな商品展開も試みている。

Causse

Mani Mani

(text by kaoru URATA)