ミフレル,mifrel,トモアキ・リュウ,ウェイウェイ
手仕事にこだわるトモアキ・リュウとウェイウェイのデザインユニット、ミフレルが、「時ノ輪二咲ク」と題した2011春夏の新作を、4度目の参加となるJFWで展示会形式で発表した。肩が小さめのAラインのチュニック、ポケットにクラシカルな文字が刺繍されたワンピースなど、甘くロマンティックなトーンは、会場でひときわ目立っていた。



デザイナーのリュウさんは、「時ノ輪二咲ク」の意味をこう解説してくれた。「時代を経て、人とモノが出会ったとき咲く花。アンティークマーケットが好きなんですが、100年前のモノでも変わらない良さというのがある。モノが消費されるのが早いので、1シーズンで値段が半額になってしまう。僕たちにとってのものづくりは、50年後も素敵だと思える普遍的なモノを作ること」と、語る。

ミフレル,mifrel,トモアキ・リュウ,ウェイウェイ

今シーズンのコレクションで、もっとも気に入った1点を強いて挙げるなら、と古いヨーロッパの生地にあるような美しいストライプに、刺繍のパーツ、手編みのベルトが付いたフレアスカートを手に取った。トリコロールのストライプは、浜松の工場にオーダーしたという。反物の幅で作られているから、スカートにも継ぎ目がある。日本の伝統から生まれたストライプ柄のスカートは、古いヨーロッパのノスタルジックな感情とエレガンスをたたえている。

ミフレル,mifrel,トモアキ・リュウ,ウェイウェイ

草木染めなどにみる日本の伝統技術や織り、温かみのある刺繍など、手仕事でしか出せない深みとあたたかみ。ミフレルの提案のコアは、ずっと変わらない。なぜなら、それが、デザイナー2人の生き方そのものだから。そんな2人は、自らをファッションデザイナーとは思っていないという。ミフレルは、モノづくりへのロマンを追い続け、大きな流れの中から、新しい価値を生み出していくだろう。あたかも、偉大な作曲家が生んだ音楽の大河の中から、新しいピースを生み出す作曲家のように。

ミフレル


特集:日本と台湾のクリエーション
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魂の宿る普遍的なものづくり



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