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ケ・ブランリ美術館で開催中の展示会L’Orient des Femmes(女性たちのオリエント)展では、シリア、ヨルダン、パレスチニア、ベドゥイン(砂漠地方の遊牧民族)の女性たちにより作られた衣装が披露されている。 19世紀後期から現在に至る、ジャケット、コート、ワンピースの他にも髪や顔につける装飾品は、当時から女性が身にまとい、母から娘に伝授された制作技法が多い。細かい刺繍模様が、パッチワークやモザイクのように布地の上に植え付けられており、鮮やかな色彩が華麗さを増す。

(上写真)展示会の演出を監修するクリスチャン・ラクロワ氏  (c)Musée du quai Branly

「我々は、女性に宿りこの世に誕生してきた」という、今展の演出とアート・ディレクションを監修した、クリスチャン・ラクロワ。オート・クチュール時代のコレクションでは、出身地の南仏、光と影の陰影や職人技法が注目された。まるで、ラクロワの感性と合致するかのような、ファッションの世界だ。
レバノン女性でキュレーターのハナ・シディアックは、準備とリサーチ、分析から作品選考までに3年間を費やした。「衣服に刺繍された色や模様には、本と同様に物語がある。決して単なる装飾ではない」と説明する。社会的な地位がないがしろにされていた時代からくらべれば、現在は女性の地位も変化しているが、「どんな新しいメッセージを感じ取ってもらえるのだろうか」と観衆に投げかけている展示会でもある。2011年5月15日まで。

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パレスチニアの女性ジャケットTaqsiré (c)Musée du quai Branly _Photo Patrick Gries,Valérie Torre Musée du Quai Branly
(取材・文 Kaoru URATA from Paris)