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Les Manufactures(レ・マニュファクトュール)は、大手ブランドのアートディレクションに携わっていた女性2名と経営コンサルタントの男性1名の3人が立ち上げたブランドである。 フランスが誇る継承伝統技術を存続させるために、何をしたらいいのか?と思案した結果、現在も残る、フランス国内の工房のノウハウを、アートとデザインに取り入れるための作業を支援している。具体的には、アーティストやデザイナーたちと、ノウハウを持つ職人の協働作業で、誕生した作品は、ギャラリーで販売される。当初は、自社でエディションをしていくにはコストもかかるので、コレクターを対象にしたアート作品を手掛けていた。

photo:©Les Manufactures

10月には、初の作品が展示された。1958年に創立したタペストリーのMoroges(モロージュ)と陶器の老舗Royal Limoges(ロイヤル・リモージュ)の2つの異なる技法を、7名のアーティストとデザイナーが新たな形で表現した。 Aurelie Mathigot(オレリー・マティゴ)のタペストリー作品は、“道端に座って夢見うつつ”という題に相応しく、草原が会場空間にまで敷き詰められていくように、地と空が、素材感の異なる糸で織られている。Jose Levyの沼地帯を詩的に表現したタペストリーも、微妙な色彩のグラデーションで鮮やかである。

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photo:©Les Manufactures

les-manufactures.com

(取材・文 Kaoru URATA)