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フランスの伝統的な織物を紹介するゴブラン美術館で、2012年4月15日迄開催されているDecor&Installations(装飾&インスタレーション)展では、世代の異なるフランスのアーティストやデザイナー 31名による現代作品20点を紹介する。

写真:Frydman, Monique, Ruyant, Frederic、Fenetre sur cour, 2011、Paris, Mobilier national

王宮時代に栄えたタピストリーは、ゴブランとボーヴェ地方の工房が核となり、全盛期を迎えた。現在では、国家(政府)のための家具や装飾の製造と修復をして、伝統継承を担う大事な存在であるといえる。歴史を語るタピストリーは古城の壁面を覆い、古臭いイメージが根づいてしまったがゆえに、なかなか現代アートにおいても関心を持たれにくい。“やっぼたさ”を払拭させるかのような、デッサン、写真、映像、光の演出、絵画などの媒体を使用したインスタレーションに注目したい。フランソワ・モルレやベルトラン・ラヴィエは、ネオンを取り入れた抽象的な構図から壁面装飾を試みているのだろうか。アンヌ&パトリック ポワリエは、17世紀に制作された、傑作でもある「ティキニスの戦い」と「コンスタンチンの戦い」の2枚のタピストリーの縁が重なりあい、壁面から流れるような、大胆な展示手法をした。空間には、「記憶の迷路」と題したガラスの壁面にメッセージが彫られたインスタレーションと「記憶のファブリカ」と題した脳みそを象るネオンが置かれた。

今展の演出家のフレデリック・リュアンは、モニック・フリードマンと協同制作した、「中庭に面した窓」で、光の変容で影も楽しめる新作を披露した。

www.mobiliernational.fr

(取材・文 Kaoru URATA)