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尾崎牛は、肉質は柔らかくて甘みのバランスが良く、他の和牛に比べて旨みが詰まっていて味わい深い。にも拘わらず脂がしつこくなく、あっさりしているのが特徴だ。第一印象は「優しい味」。「霜の入り方で決まるランキングだけでは世界と闘えない。美味しい赤身で勝負したい」、そんな宮崎県の生産者 尾崎宗春さんが育てる牛肉だ。 牛を育てるために自らの目で厳選した大麦、アルファルファ、きな粉、そして海藻などの全12種類の飼料を、朝夕2時間づつかけて餌に混ぜて牛たちに与えている。同業の方の多くが「尾崎牛はこだわり過ぎている」という。にもかかわらず手間暇をかけたこうした作業を貫くのは、牛を慈しみ、育てる親心のなせる業としかいいようがない。

銀座「ジルベラード」では、上品でとろける食感とコクのある味わいを存分に楽しめる尾崎牛のザブトンを炭火焼やローストで調理したメニューを提供する。シェフの中原氏いわく「尾崎牛は尾崎宗春氏そのものです。尾崎牛を扱うとき、生産者尾崎さんの顔が一緒に浮かびます。尾崎牛の醍醐味は赤身です。銘柄牛に比べて価格帯的に使いやすく、配合飼料の影響か、脂がにおわないのです。上質でピュアな脂は、ストレスなく育成されているから、嫌な脂肪の付き方をしていない。」 fe69cbaa 左:「尾崎牛サーロインステーキ炭火焼き 三浦半島の野菜を添えて」、右:銀座並木通りを見おろす店内は、3面天井までのガラス張りの開放的な空間。銀座駅はもちろん、有楽町や丸の内界隈からもアクセス良好なビルの8階というロケーションは、1フロア90坪という贅沢な空間で、昼はとても明るく、夜は落ち着いた雰囲気でビジネスシーンやプライベートを問わず楽しめる。レストラン・オブ・ザイヤー2008 特別賞受賞。

安心、安全、生産者の顔が見える食材であるかどうかはとても重要で、食を提供する私たちはモノありきの商売ではなく、人ありきの商売とも語る。自分の目と舌で確かめて納得したものしか使わないポリシーから、飼料にこだわり、動物への環境配慮、衛生面などのチェックをクリアした国産肉を主に取り扱っているという。

「肉の調理の基本スタンスは、シンプルイズベスト。脂を食べさせたいなら脂を閉じ込める料理法であるコンフィ、ソテー、ローストなどで、赤身を食べさせたい場合は、脂を落として赤身の旨みを引き出す炭火焼などが、その素材の美味しさを最も活かせる調理法だと思います。」と中原シェフ。美味しさへのこだわりを持つ生産者とシェフのマリアージュが織りなす至極の一皿には、両者が生み出す華麗なる美食肉の奥行きがたたみこまれている。

restaurant information


銀座シルベラード

住所:東京都中央区銀座5丁目4-6 ロイヤルクリスタル銀座8F
Tel:03-3569-3344
営業時間:LUNCH 11:30~15:00(L.O. 14:00)
DINNER 17:30~23:30(L.O. 22:00)
座席:88席(個室3室-各2~6名 最大20名様まで)